現役福祉職兼心理カウンセラーの資格を持つ篠原です。
今回の記事は「雑用が多く燃え尽きそう」と言う問題です。福祉施設などでは多くの施設が頭を悩ませる内容かもしれません。
ぜひ自分の会社に当てはめて一緒に考えていただけたらと思います。
その施設での状況やルールが違うため、独自の創意工夫が求められ、それぞれで創意工夫していく必要がありますが根本の問題は同じだと思います。
しかし創意工夫するところはたくさんあると思いますので、あなただったらどうするでしょうか?一緒に考えてみて、それを実際のあなたの職場に活かしてください。
Contents
なぜ雑用がどんどん溜まってしまうのか?

まずなぜ雑用がどんどん溜まってしまうのか?と言うことですが、大まかにまとめると以下の4つに絞られるのではないでしょうか?
1、組織の中枢にいる役割に情報が集まる
太郎さんのように主任と言う立場やサービス提供責任者、相談員、ケアマネ、サービス管理責任者、管理者などに情報が集められるため、どうしたってそのポジションの人が雑用を抱えやすいと言うのがありますよね。

どうしてもそのポジションの人に情報が集まります。
- 今日職員 Aさんがお子さんが熱を出して休みました。どうしたらいいですか?
- 利用者のBさんのご家族があの件で怒って話がしたいとのことですが?
- 他の部署からこの日車をお借りしたいとのことですが? etc
また普通の情報に加え、どこに振って良いかわからない問題も降りかかってきます。「何でも屋」になりやすいと言う特徴があります。
- 「電気のソケットが壊れたから直して欲しい」
- 「トイレの蓋が壊れたから業者に連絡して欲しい」
- 「車のタイヤ交換をお願いしたい etc
情報やどこに振って良いかわからない問題が組織に中枢に集められる。
仕組み化やマニュアル化するなどして他の職員にどんどん振っていくことで減らす工夫になる。
2、会社の考え方や仕組みが「自己犠牲的」
「利用者のため」の名目のもと自己犠牲を強いられる施設や会社です。
それで職員に過度に負担が行き職員が辞めては利用者のためになりません。
でも結局退職の悪循環が起きてしまうので、長い目でみたら利用者のためになっていませんね。
自己犠牲が価値観の組織は結局退職の悪循環になり長い目で見ると利用者のためになっていない。
職員が無理なく働ける仕組みを作ることが、長い目で見ると利用者のためになる。
3、雑用や作業の整理整頓していない
自分の部屋でも整理整頓をしないとすぐにものが溜まってしまいます。昔はそれが必要だったかが改めて検討してみると必要のない作業や仕事がたくさんあります。実は利用者や会社のためにもなっていないものも中にはあるのでは?と思います。
結構昔からやっていたからやってしまっていると言う作業や書類イベントが結構あります。
昔からやっていたからという理由で、あまりためになっていないことをしていることが結構ある。
今その作業が必要か?検討したり、外部のサービスでまかなえないか考えてみる必要がある
4、メンタルの問題「抱え込み癖」「人に任せられない」「自己犠牲」etc
雑用を抱え込んでしまう最大の問題にこのメンタルの問題が絡んできます。
このメンタルの人が先ほどのリーダー的な立場や組織の中枢の人であると部下や周りの職員もかえって迷惑してしまいます。こちらは下の5つ目で解説しています。
そもそもサービス残業は重大な法律違反

未払い残業はそもそも重大な法律違反
6ヶ月以下の懲役、30万円以下の罰金の罰則の対象になります。当たり前のように黙認している会社や上司には、労働基準監督署などにも訴えることが出来ます。
サービス残業は法律違反。目先の経費削減よりも、長い目で見たときには職員にとって働きやすい環境を作ることの方が大事。
仕事を抱え込まないための3つの工夫

作業や仕事が本当に必要か見直してみる
本当にこの仕事や作業が必要か一度見直してみる必要がありますよね。結構昔からやっていたからなんとなくやっているということがあります。
- これは必要か?
- なんのために必要か?
- 目的は何か?
- 削れるものはないか?
- もっと効率よく出来ないか?
- 外部に任せられないか?
作業を見直して、シンプルにしたものを職員や上司に訴えていく。
例えば試験勉強で言ったら
→「過去問」や「参考書の太字の部分」を中心に憶えますよね。決して参考書の端から端までは覚えようとはしません。
それでも大体6割〜8割の点数は取れてしまいませんか?
80:20の法則と呼ばれるものです。
経済学者のヴィルフレド・パレートが発見した法則で多くのものに応用が可能です。

20%の要因が80%の結果を作っているという法則です。例えば先ほどの例ですと過去問や参考書の太字のところ(要因の20%)試験に受かる(80%の結果)を産みました
- 売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
- 仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
- 故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。etc
急に家に来客が今から30分後に来ることになりました。家の中は散らかっています。あなたはどうしますか?
とりあえず客が来るであろう居間にある散らかっている物を違う部屋に移動し、他の部屋は見えないようにして居間だけを掃除しますよね。
客の為の片付けの要因の2割に集中し、客が最低限不快に思わない8割の結果を生みました。
物事のポイントを絞るときには80:20の法則で、80%の結果をもたらす20%の要因(ポイント)はどこか?を考えることでポイントが絞りやすくなる
人に任せられるものは任せる
人に任せられるものは人に任せましょう。全部とはいかなくても部分でも任せられるものは無いか?と考え任せます。
マニュアルを作り職員みんなにやってもらう
簡単なマニュアルを作り、職員みんなにやってもらうことことで作業を減らすことができます。
雑務をため込まないためのメンタルとその対策

ではここで雑務を溜め込んでしまうメンタルの問題です。
ここでは雑務を溜め込んでしまう5つのメンタルと言うことであげてみます。
完璧に物事をこなさないと気が済まない
雑務を端から端まで完璧にこなさないといけないと言う考え方や気持ちです。完璧主義の人などに多く見られます。
しかし端から端まで完璧にやっては、いくら時間があっても足りません。まずは完璧主義をやめるのが良いと思います。
完璧主義な人は80:20の法則を意識してポイントを絞ることをしましょう。
物事を自分でこなさないと気が済まない
部下や人に仕事を任せればそれだけ早く終わるし教えればそれだけ周りも伸びるですが、それをしない理由になんでも自分で物事をこなさいと気が済まないと言う考え方や気持ちがあります。
- 細かい作業までいちいち首を突っ込んで口を出してくる
- 掃除の仕方など自分独自のルールを職員に押し付ける
- 送迎の道など自分の教えた道で行かないと気が済まない
なんでも自分の思い通りにしたいと言う欲求がある人は、職員を指示待ち人間にしてしまい、職員のやる気や想像力を奪っている。職員がどんどん依存してしまいます。
自分の仕事の範囲を明確にし、任せるものは職員に任せることが大事。
仕事を抱え込むことで仕事をしているという自己満足
サービス残業や仕事を抱え込んでしまう心理でそれをすることで「あ〜仕事している」「自分は頑張っている」という自己満足があります。
人の分も抱え込んだりやらなくてもいいことをやったりしてしまいます。これでは仕事は増えていくことばかりです。
自分の人生で大事なことはなんなのか?今一度考えてみる必要がありますね。
忙しさ=心を亡くす
と書くようにまさに心を亡くしている状態。バタバタしている状態は一瞬の自己満足(高揚感)が得られるが、果たしてそれでいいのでしょうか?
職員に仕事を振ったりし、雑務を減らし、大事なことを考えたり、早く帰った方が良いのではないでしょうか?
一度落ち着いているときに自分の仕事を振り返えることが大事です。
人に仕事を任せるのが怖い
仕事を人に振ったり、任せたりすれば仕事は減るのですが、「人に任せたら悪い」
「人に断られるのが怖い」「人に嫌われたくない」という心理的な理由で出来ないと言うことがあります。
- 長い目で見るとその体験で相手に成長の機会や体験を与える可能性になる
- 長い目でみると組織のためになっている可能性がある
- 1度断られても、相手も悪いと思い次のお願いを聞いてもらえる
- 「この仕事をやれ!」と言われたら誰も良い気がしない
- 「これがあるんだけどやってみない。これをすることで●●がわかるから」など目的を伝える
- 「自分が手一杯で手伝ってほしい」→自分が役に立っていると言う気持ちになる
- 一度断られても、次は受けてくれる可能性がある
仕事を降ることの「意味づけを変えて」、「伝え方を工夫する」。
断られても相手には伝わり、次への布石になる。
恋愛で「相手に思いを伝えた行動」に意味があるのと同様「仕事を降る行動をしたこと」に意味がある
自分でやってしまった方が早い
人に教えるよりも自分でやってしまった方が早いという心理ですね。毎日時間で追われる中である程度雑務をこなさないといけませんから人に任せるよりも自分でやってしまうという
気持ちですね。
井戸ですと自分で毎回水を組みに行く必要があります。それをやめるには水道を引けばいいのですが、水道だと水道管を通し仕組みを作るまで水が出ません。その年月がかかりますが一度水道が引かれれば多くの労力と時間を削減出来ます。
仕事を丁寧に教えることで水道の仕組みを作るまでが大変だが井戸から水道に変わるように仕事が流れる。
教えた職員もそれを覚えていていずれ味方になってくれる。

まとめ 燃え尽きないために創意工夫をしよう

介護や福祉の職場では労働基準法を無視したり、「利用者のため」という自己犠牲的な価値観を押し付けられて、自己犠牲的に仕事をしている人も少なくないですよね。
私たちは日々創意工夫が必要ですが、まずは自分のメンタルや考え方を見直すということが必要ですね。そして同時にサービス残業をなくすなど職場や上司に訴えていく必要がありますね。
✅「自分は自己犠牲はしない」「雑務をこなすことでの存在誇示をやめる」など、まずはメンタルや考え方を見直す
✅会社や上司にもサービス残業は違法で改善するよう訴える。業務削減のために現状を訴えたりどうすれば良いか提案をしていく