給料アップの秘策

福祉・介護処遇改善加算とは?特定処遇改善加算を知る前の基礎知識わかりやすく解説。

篠原です。

 

2019年10月より福祉介護処遇改善特定加算が申請可能になりました。

fukushiさん
fukushiさん
介護福祉士で10年勤務した人に月8万円処遇が改善されるという制度でしょ?
篠原
篠原
ところが実際制度を導入するにはかなり複雑な制度を理解する必要があり、かなり難しくなっています。

 

とはいえ処遇改善加算を取得している施設と処遇改善を取得していない施設では、給料などの処遇も変わってきます。

fukushiさん
fukushiさん
転職の際も気にしないといけませんね。

 

そこで今回は特定処遇改善加算のベースになっている処遇改善加算をこの記事で説明します。まずは基礎となっている処遇改善加算を理解することで特定処遇加算を理解することができます。

福祉・介護処遇改善加算とは?

fukushiさん
fukushiさん
そもそも福祉・介護処遇改善加算って?
篠原
篠原
介護の処遇改善加算と少し違うので注意が必要です。

福祉職の処遇改善を目的で平成23年までは助成金として実施されていました。平成24年度からは障害福祉サービスの報酬の加算として創設されました。

平成27年、平成29年の障害福祉サービスの報酬改定により現在の処遇改善加算になりました。

福祉・介護職の処遇改善加算の目的
  • 賃金改善
  • 福祉・介護職員の資質向上、キャリア形成の労働環境整備
  • 雇用管理の改善
  • 職場定着の必要性  etc

ポイントは2つの「要件」を知る

 

福祉・介護処遇改善加算のポイントを抑えるには「二つの要件」を理解する必要があります。

二つの要件

1、キャリアパス要件

2、環境等要件

 

1、キャリアパス要件とは?「Ⅰ〜Ⅲ」がある。

キャリアパス要件にはⅠ〜Ⅲの要件があります。

キャリアパス要件Ⅰ
  • 職位・職責・職務内容に応じた任用要件の整備
  • 賃金体系の整備をすること
  • それを就業規則などの書面で整備し、職員への周知

 

キャリアパス要件Ⅱ
  • 資質向上の目標及び研修の実施又は研修の機会を確保。
  • 資格取得のための支援の実施。
  • 職員へ周知していること。

 

キャリアパス要件Ⅲ
  • 昇給する仕組みを設けていること。「勤続年数」や「経験年数」「資格等」に応じて昇給する仕組み。
  • 就業規則等の書面で整備。職員に周知していること。
fukushiさん
fukushiさん
結構会社なら当たり前のことが書いてあるような気がするけど

 

篠原
篠原
そうですね。職員の働く環境を整えようとしている施設からしたら普通ですね。

 

2、環境等要件とは?

環境等要件とは下記表の内容です。改善できたところに◯をつけます。職員への周知が必要です。

職場環境等要件
資質の向上
  • 働きながら介護福祉士等の資格取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い支援技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引研修、強度行動障害支援者養成研修、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援(研修受講時の他の福祉・介護職員の負担を軽減するための代替職員確保を含む。)
  • 研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
  • 小規模事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
  • キャリアパス要件に該当する事項(キャリアパス要件を満たしていない障害福祉サービス等事業者に限る。)
  • その他
職場環境・
処遇の改善
  •  新人福祉・介護職員の早期離職防止のためのエルダー・メンター(新人指導担当者)制度等の導入
  • 雇用管理改善のための管理者の労働・安全衛生法規、休暇・休職制度に係る研修受講等による雇用管理改善対策の充実
  • ICT活用(支援内容や申し送り事項の共有(事業所内に加えタブレット端末を活用し訪問先でアクセスを可能にすること等を含む。)による福祉・介護職員の事務負担の軽減、個々の利用者へのサービス履歴・訪問介護員の出勤情報管理によるサービス提供責任者のシフト管理に係る事務負担軽減、利用者情報蓄積による利用者個々の特性に応じたサービス提供等)による業務省力化
  • 福祉・介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットやリフト等の介護機器等の導入
  • 子育てとの両立を目指す者のための育児休業制度等の充実、事業所内保育施設の整備
  • ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の福祉・介護職員の気づきを踏まえた勤務環境や支援内容の改善
  • 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化
  • 健康診断・こころの健康等の健康管理面の強化、職員休憩室・分煙スペース等の整備
  • その他
その他
  • 障害福祉サービス等情報公表制度の活用による経営・人材育成理念の見える化
  • 中途採用者(他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等)に特化した人事制度の確立(勤務シフトの配慮、短時間正規職員制度の導入等)
  • 障害を有する者でも働きやすい職場環境構築や勤務シフトの配慮
  • 地域の児童・生徒や住民との交流による地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上
  • 非正規職員から正規職員への転換
  • 職員の増員による業務負担の軽減
  • その他

 

「キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲ」と「環境等要件」を達成できたかで「加算の段階」が来まる。

「キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲ」と「環境等要件」をいくつ満たしかで、加算の段階が変わります。加算1になると障害サービスに対して多くの加算が受けられるわけです。

 

厚生労働省 平成30年度処遇改善加算リーフレットより引用

 

加算の段階

加算Ⅰ=キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲ  +  環境等要件を満たす

加算Ⅱ=キャリアパス要件ⅠとII  +  環境等要件を満たす

加算Ⅲ=キャリアパス要件ⅠorⅡ +  環境等用件をを満たす

fukushiさん
fukushiさん
当然加算Ⅰを取得している事業所の方が収益が良いですよね
篠原
篠原
そうですね。つまり職員の待遇も良いです。

下記の表が加算Ⅰ〜Ⅲの加算率の一部になります。

加算率の表

引用 福祉・介護職員処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善特別加算に関する 基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について こちら。


就職先や転職先がどの加算を取得しているか知るには?

現在就職している施設や転職しようとしている施設がどの程度の加算を取得しているか、県のHPなどで確認することができます。

就職や転職している施設が加算状況を知るには?

県のHPなどで「障害者施設」「体制状況」などの検索で見ることができます。

例)埼玉県の場合こちら

埼玉県ホームページ→障害者福祉施設向け情報→体制状況一覧

 

まとめ 処遇改善加算の内容を知り自分達の収入に繋げる

fukushiさん
fukushiさん
2019年の変更を含め処遇改善加算の内容を知らないと施設の収益が違う=自分たちの収入に影響があるんですね
篠原
篠原
加算1や特定加算を取得していれば大分違いますからね。

私たち福祉職員は給料が安いですが、自分たちの収入を上げる手段はあります。その一つが処遇改善加算を知れば、加算の高い施設に就職転職したり、すでに就職しているなら加算を上げるよう施設に訴えることが出来ますね。

加算の高い内容=職員の働きやすさ?

fukushiさん
fukushiさん
加算の内容は職員の労働環境やキャリアに関係することがわかりました
篠原
篠原
そうですね。収益も上がるし、労働環境を整えることで自分たちも働きやすくなる。

処遇改善加算を取得しようとすることで会社に働きかけることで自分たちの働く環境も整えることになります。そのためにも処遇改善の内容を知り、管理者などに訴える必要がありますね。