HSPとは?
Highly Sensitive Person
ハイリー・センシティブ・パーソン
病気とかではなく「繊細・敏感・感受性豊か」等の特徴を持った性質のこと。アメリカの心理学者エイリン・N・アローンさんにより提唱されました。
1つが、介護や福祉にはHSP傾向の職員が多いのでは?という記事を書きました。
2つ目が、特にHSP傾向職員はストレス対策を重視する必要があるという記事が下記です。
しっかりストレス対策をすれば介護や福祉業界ではHSP傾向職員はその能力を発揮できる業界では?と思います。なぜかというと
「HSPならではの能力」と「介護や福祉の仕事に必要な能力」のマッチングが良いのでは?と思うからです。
普通の人には難しいことも、HSP傾向の人なら「そんなこと簡単では?」と思ってしまうことがあり、それがこの業界との相性が良いと思います。
HSP傾向職員の能力は介護や福祉業界に超活かせる!
なお今回はこちらの本を参考にしています。
HSP傾向職員の優れた7つの能力
つまりそれを活かした能力が発揮できるという事です。そして介護や福祉の業界はその能力があらゆる場面で活かせることができます。
1、一度の多くの情報を吸収できる
HSP傾向の人は多くの情報を受け取れてしまいます。
- 人の表情や言動の機微を見て
- 声のトーンを聞いて
- 人間の関係性を見て
- 1つの情報から色々なことを発想できる etc
普通の人が出来ない情報量を吸収してしまいます。この能力は主に利用者や関係者の機微を見る仕事に向いています。
- 利用者の機微の情報から多くを吸収できる
- 1つの情報から状態の仮説(アセスメント)にも活かせる
- 職員の機微からも情報を察知できるので「職員マネージメント」にも活かせる
2、音や匂いなど微細な違いも察知できる
HSPの特徴として些細な「音」や「匂い」など敏感な特徴があります。
- ちょっとした音で起きてしまう
- 喫茶店で隣でしゃべっている声が気になり不快
- 電話の第一声目の声で相手が誰だがわかってしまう
- 電車の中の密集した時の人の匂いが不快
- 体臭の匂いの変化がわかる etc
これらは介護や福祉の仕事ではちょっとした人の変化に気づけることが出来ます。
- 利用者のちょっとした変化などに気づける
- 声のトーンから状態の変化
- 呼吸の荒さ
- 匂いの変化
「何かが違う」という気づきが思わぬ発見や事故を未然に防いだりすることが出来ます。
3、ゆっくり深く多角的に考えられる
HSPの特徴として1つの物事を深く多角的に考えられる力があります。逆の言葉は「即決」ですね。深く多角的に考えることで、あらゆる可能性やリスクコントロールを考えることが出来ます。
- 利用者対応はこれで良いのか?良かったのか?もっと良い対応があったのではないか?
- 組織のあり方はこれでいいのか?もっとこうなれば仕組みを変えれられるのではないか?
- 人の育て方はこれで良いのか? etc
など客観的に把握出来ます。
特に利用者対応は答えがありません。同じように接していても、全く違うということがあります。また非営利法人の運営も営利を追求する法人とはまるで異なります。その上で職員を育てることも正解がありません。
こうしたことからも物事を客観的に多角的に考えるHSPの能力が活きてきます。
4、とても慎重で、危機管理能力が高い
HSPの特徴として、とても慎重で、危機管理能力が高いということです。というのも「不安」が強く、なるべく想定外の対応に追われなくて済むように先に準備する傾向にあります。
普通の人は出たとこ勝負でもなんとか大丈夫ですが、HSP傾向の人はそれだけエネルギー消費が激しいので事前に想定できることは準備をします。
特に介護や福祉は1発のミスが大きく左右することがあります。また仮にこうなってしまった場合こうするというリスク管理が必要な場面があります。それが返って介護や福祉業界では利点になります。
- 薬を間違えないように入念にチェック
- 預かっていた財布を無くさないようにしっかり保管
- 急変や事故につながる恐れがあるときにはしっかり時間等をメモっておく
- 急に利用者が嘔吐しても良いように手袋と袋を準備しておく
- 会議でも突っ込まれても良いように入念に調べる
5、共感力が高く、気配り上手
共感力は介護や福祉の業界では「いろはのい」ですね。一番必要な能力と言っても過言ではありません。また気配りが求められる仕事です。
しかし、現場では共感力や気配りのない職員や上司も多々見かけます。職員育成にも共感と提案が両方ある人の元で人は育ちます。
6、誠実で、責任感がある
敏感なゆえに、課せられた責任感や「これをしなかったらどうなる」「次の人が不快にならないように」という創造性が豊かですからしっかりと物事をこなそうとします。
- 次の人のことを考えて、なくなりそうなものを補充する
- 次の人のことを考えて、しっかりとマニュアルを作る
- 「これをしなかったら、後々問題になる」ということを率先して行う
- 手を抜かないようにしっかりと業務を行う
とはいえHSPの方は「他の人の課題」等も背負ってしまい悩んでしまうということが挙げられます。そこは切り離して考える癖をつけないと、とても苦しくなってしまいます。
7、想像力が豊かで、内的生活が充実している
HSPの能力は想像力が豊かで空想することや考えることが好きという特徴です。ですので絵、音楽、演劇、文章、織物等芸術方面が好きな方も多いでしょう。
特に介護や福祉は人相手ですからこういう芸術的な感性を求められることも多いです。こういう感性を活かした活動も介護や福祉業界の中では多いですね。
- さをりをしている
- 絵を描く利用者さんがいる
- 音楽が好きな利用者さんがいる
- 一緒にカラオケをする
またこういう活動が、HSPの方のストレスメンテナンスに活用されることがあります。
「休みの日に音楽をやっている」等います。
HSPの職員が介護や福祉の現場で、周囲の人間関係とうまくやる6つの方法
1、自分の限界点を知っておく
HSPの人は限界を超えて活動するとまるでヒューズが飛んだかのようなストレスまみれの状態になってしまいます。業務でどうしてもそれをやらなければならないというものでない限りは、人付き合い等も自分の限界点を知っておき、切り上げることが必要です。
- 長時間労働してしまい疲労が溜まってしまう
- 休まずに働いてしまい疲労が溜まってしまう
- 飲み会で付き合いだからと長時間付き合ってしまう etc
そのために無理なら無理と断るや切り上げることが必要です。しかしHSP傾向の人は「断ったら相手が悲しい思いをする」「人に嫌われるのではないか?」と思ってしまい、それができません。なので次の2の「それとなくHSPであることを伝える」がとても大事になります。
2、それとなくHSPであることを周囲に伝える
神経が周囲より過敏なことを伝え、自分の出来ないことを周囲にそれとなく日々伝えます。
- 長時間働くと疲れが取れなくて大変
- 自分は神経が過敏なのか1人の時間が必要
- 飲み会も楽しいが次の日に影響してしまうのでここいらで帰ります。
理解ある人ならそれを理解し無理をさせないでおこうと考えてくれます。ただ周囲には理解ない人もいるので、そういう人とは無理に付き合う必要はないでしょう。
3、他人の課題を背負わない。自分の課題と切り離して考える。
HSPの人は共感力があるので、背負わなくて良い他人の課題を背負いがちです。
人生のテーマといいましょうか。その問題は誰の問題か?ということですね。人の問題まで背負って、不快になったり、辛くなってしまいます。
他人の課題と自分の課題を分けて考える努力ですね。
例えば
- パートナーが出来ない友人になんとか出来るよう大変な思いをして労力をかける
- 友人のお金の問題を一緒に悩み考えすぎてしまう
- 自分の職場以外の職場環境の悪さで悩む
共感力が高いので、相手の問題も自分の問題として捉えて、解決しようとしてしまいます。
表現が悪いですが、余計なお節介をしているんです。
自分の課題なのか、相手の課題なのかは分けて考えて、相手の課題や問題ならば、どこまで関与するかの線を引いて付き合うのが良いでしょう。
4、空き時間や休憩時間をうまく利用し、1人の時間や神経を休める時間を作る
HSPの人は、情報が大量に入ってきていまし、神経や脳が疲れやすいので、神経を休める時間を意図的に作ることで、それを防ぐのが良いでしょう。
空き時間や休憩時間なんかを使い意図的に休める時間を作ります。
- 散歩をする
- 昼寝をする
- 人がいない場所に行きボォーっとする
- 呼吸法、瞑想を使い、五感を呼吸等に集中させ、リラックスするetc
スマホ等も神経を使うのでなるべく避けた方が良いです。研修なんかもなるべく休憩時間は外を歩いたり、場所を変えて休んだりすると回復されます。
5、限界点を超えて仕事させられる職場は離れる
サービス残業を無理強いさせたり、休憩時間もなかったり、長時間労働を強いられたり、有給等も取れなかったりする職場があります。
やはりそんな職場は心身に影響及ぼすので、離れた方が良いでしょう。心身を壊しかねません。
HSPは環境を設定してあげることが大事なので自分の能力を活かせる職場環境を探した方が良いです。
転職の参考になる記事はこちら。

6、完璧主義をやめて、ポイントを絞り業務をこなす
HSP傾向の職員は、課題が見えてしまうので、自分の体力を超えて、完璧にこなしてしまう傾向かあります。
それでは身体が持ちません。ポイントを絞り業務をこなす必要があります。
狙うは100点ではなく、60〜80点です。そのためのポイントはどこか?というように考えます。
そう考えると、ポイントは「過去問だったり、参考書の太字」を中心に憶えますよね。それが60点〜80点を取るポイントだからです。
常に作業に問いかけてみます。
60〜80点取るためのポイントはどこか?
そうなると余計なことが絞れてきます。
こちらの記事が参考になります。

まとめ HSP は活かし方さえ知ればすごい能力

ましてやHSPの特殊能力が介護や福祉の業界ならばそれが活かせる部分が多いということです。
そう考えるとHSP傾向で良かったと思えますよね。