前回は介護職員や福祉職員にはHSP傾向の職員が多いのでは?と言う記事でした。
HSPの性質が元々5人に一人と言われています。
その敏感な性質をいかし、介護や福祉の仕事についた人もいるでしょう。
とはいえ、介護や福祉の仕事の特性上、ストレスで苦しんでいるHSP傾向の職員も多いのでは?と思います。
HSPの職員はその敏感ゆえに3つの問題を抱えるかと思います
- そもそもストレス受けやすい
- そのストレスを助長してしまう傾向
- さらに自分を否定して、さらにストレスが増してしまう。
例えばストレスを受けたとしその瞬間よりむしろその後が問題なんですね。
ストレスを受けたことにより仕事が終わった後も、四六時中「嫌なこと」を考えて思考がグルグル回ってしまう。
仕事以外の休んでいる時も仕事の不安や悩みで頭がいっぱいて休めません。さらに
自分否定をする。
結果、不眠や身体を壊すなどの不調やうつ症状が出てしまいます。
ストレスコントロールさえ出来れば、HSPの方は敏感な性質な上、HSPの「能力」として発揮できます。
HSP傾向の職員のストレス対策をここで紹介します。篠原も実践しています。
Contents
ベースにある2つの対策
- 自分は自分であるという感覚「自己受容感」
- 自分なりのストレス対策を持つ
自分は自分であるという自己受容感
人間関係や利用者からのストレスも大変ですが最終的には自分で自分を否定するストレスが高いです。
しかし、自分は自分だからという自己受容が出来ていれば、「そういう自分なんだ」と受け入れて、人格や性格を否定せずに、行動や習慣や環境を変える努力に目を向けます。

自分なりのストレス対策をもつ
どんな職員でもストレスを受けるのでストレス対策は必須ですね。
ちなみに私のストレス対策はこちら。

この上でHSP職員の対策をまとめます。
自分観察をして感覚アセスメントを取る

HSPの職員は刺激に敏感ということなんです。
それは、自分にとって「快」な刺激も「不快」な刺激も敏感に受け取り、反応しやすいってことですね。
刺激⇒反応⇒快or不快
ならば!
自分にとって「不快な刺激」や「快な刺激」を見極めて、「不快な刺激」を受けてしまったら「快な刺激」を受けれるようにすればいいだけなんですね。
この刺激は人によって違うんです。
なので自分アセスメントですね。
利用者と同じ。みんなバラバラ。
ならば、自分を観察して、自分アセスメントを取ればいいんです。
刺激に対する反応を観察
人は刺激や情報を受け取るとなんらかの反応を起こします。
刺激⇒反応⇒快or 不快
自分にとって心地よい「快」なものも「不快」なものも何かしらの情報や刺激を受け取った、体(脳)の反応です。
それを観察して、自分なりの快はなんなのか?不快はなんなのか?を見極めると、色々なことに対応出来るようになります。
- 不快な刺激はなるべく避ける
- 快な刺激を増やす
- 不快な刺激を受けたら快な刺激を受ける
- コーヒーの香りを嗅ぐといい香りがする
- 森などみどりの多いところに行くと元気になる
- 人混みに行くと疲れる
- ヨガをすると身体が軽い。さぼると重い。
- 物が部屋に溢れると苦しくなる
- 物が少ないとスッキリする
- カラオケに行って歌うとスッキリする
- 人と言い合いになるとイライラした気持ちが強く
- 広々とした景色を見ると脳が活性化する
- 広々とした綺麗な喫茶店に行くと快
- タバコの煙が充満している喫茶店は不快
- 周りの喋ってる声がうるさいファミレス
- 好きな映画、観劇、コンサートの音は好き
- サッカーなどスポーツ観戦の音は好き
- 周りの声がうるさい居酒屋は不快
- 周りの声が静かで個室だと快
自分アセスメントを取るとストレスを避けるだけでなく「その感覚を活かす」ことができます。
五感を限定して観察してみる
慣れてくると何が自分にとって見極められるようになりますがなれないうちは五感を限定して観察します。
特に以下の3つの感覚です。
- 視覚
- 聴覚
- 体感覚
具体的に観察することは以下の3つに分けられます。
- 視覚の刺激⇒反応⇒感覚の観察(快 不快)
- 聴覚の刺激⇒反応⇒感覚の観察(快、不快)
- 体の感覚の刺激⇒反応⇒感覚の観察(快、不快)
- 紅茶の香りを嗅ぐといい香りがする(聴覚⇒快)
- 森などみどりの多いところに行くと元気になる(視覚⇒快 or 体感覚⇒快)
- 人混みに行くと疲れる(視覚⇒不快)
- ヨガをすると身体が軽い。さぼると重い。(体感覚⇒快 不快)
- 物が部屋に溢れると苦しくなる(視覚→不快)
- 物が少ないとスッキリする(視覚→快)
- カラオケに行って歌うとスッキリする(体感覚→快)
- 木や林などを自然の場所に行くと気持ちが落ち着く(視覚→快)
- 広々とした景色を見ると脳が活性化する(視覚→快)
- 広々とした喫茶店に行くと快(視覚→不快)
- タバコの煙が充満している喫茶店は不快(体感覚→不快)
- 周りの喋ってる声がうるさいファミレス(聴覚→不快)
- 好きな映画、観劇(聴覚→快)
- サッカーなどスポーツ観戦の音は好き(聴覚→快)
- 周りの声がうるさい居酒屋は不快(聴覚→不快)
- 周りの声が静かで個室だと快(聴覚→快)
スケジュール等に記入してみる
ひとつひとつを観察するのは大変なので、普段観察してみて、気づいたことをスケジュールやカレンダー等に記入してみるのが良いです。
だんだん自分の感覚がわかり、ストレスコントロールができたり、自分の感覚を活かせることが出来ます。
四六時中グルグル思考対策にはこれ。
ストレスを受けたことにより仕事が終わった後も、四六時中「嫌なこと」を考えて思考がグルグル回ってしまう。
こういうのを反芻(はんすう)思考と言います。
反芻とは牛が一度食べたものを胃から戻してまた食べることで、一度起こったことを別の時間にまた考え直し、さらに病んでしまうことですね。
またこれもあります。
まだ起こっていない未来を(また失敗するのでは?)ととても不安に思うこと。
=予期不安
吃音症やパニック障害の方は予期不安に苦しむ方も多いです。
「反芻思考」や「予期不安」で受けたストレス以上に四六時中頭の中をグルグル思考が回ってさらにストレスを増してしまいます。
ストレス⇒反芻思考⇒自己否定⇒予期不安⇒さらにストレス増
「反芻思考」や「予期不安」対策にはマインドフルネス瞑想
四六時中思考グルグルや起こってもいない未来を不安に思うことは自分の脳内で起きています。
つまり「脳内の処理」の仕方なんですね。
脳内の処理の仕方をちょっと変えるだけで、大分楽になります。
その最も使える手段がマインドフルネス瞑想です。
人はコントロール出来ないことに悩む
明日の天気をコントロールできる人はいません。でもコントロール出来ないからと言って嘆く人はいません。
そして天気を受け入れて備えることは出来ますね。
天気と同じ、人の思考や気持ちもコントロール出来ないことが多いのです。
- (ネガティブ)感情
- (ネガティブ)思考
- 緊張や不安(心臓の高なり)
- 神経 etc
感情、心臓の音や脳内の思考もいわば自動的に行われていうのでコントロールができません。
結果どうでしょう?余計にネガティブになったりします。「ポジティブ思考」というのは結構有害になる時が多いです。
まさに雨の天気をコントロールして、晴れにしようとしてるようなものなのです。
人がコントロールできるもの
では、何がコントロールできるのか?です。
- 自分を「ただ観察」
- 「意識」をどこに置くか
- 呼吸のコントロール
この3つになります。
ですが「この3つ」をするだけで結果的に、ネガティブな感情と付き合えたり、ネガティブな思考にとらわれなくなったりします。
雑念に囚われそうになったら呼吸に意識を戻す。
マインドフルネス瞑想のコツは色々ありますが、一言で言うと下記です。
姿勢をただし、呼吸に意識をおく。雑念に囚われそうになったら気づき、再び呼吸に意識を戻す。
ただこれだけですが、ココロの訓練になります。
日常生活では「雑念=反芻思考」
マインドフルネス瞑想を訓練してくると反芻思考や予期不安に振り回されにくくなってきます。
反芻思考に囚われそうになったら呼吸に意識を戻す癖がついてきたり、気づいて「あ、反芻思考している」と自分を客観的にみることができるようになります。
そういう状態だと結果、気持ちが楽になれます。
マインドフルネス瞑想は動画で簡単に学べる
現在はyoutubeで良い動画も出ていますので簡単に学べます。
特に初心者は呼吸法から始めてみると良いです。
マインドフルネス瞑想については下記記事を参照ください。

まとめ HSPの性質はストレスのコントロールさえ学んでしまえば能力になる
特に共感力を発揮したり、思わぬ支援方法を考えたり、職員や組織をマネジメントしたりと高い性質を発揮できるかと思います。
次回以降は介護や福祉業界でHSP性質気味の職員の活かし方を書いてみたいと思います。