現役の福祉職員の篠原です。
福祉の職場の中には「有給が取れない」という問題があります。取れる職場は取れますが、ほんとうに取れないところは取れなく大変という職場は大変です。
現場により有給がまともに取れない職場もあります。本当に大変な職場は大変です。
私が勤めていた職場も取れないことが当たり前でしたが、だんだん職員も「有給を取ろう」という意識に変わり、だんだん取れるようになってきました。
色々やり方があると思いますが、職員の意識をまずは「有給は取る」というように変わることが大事ですよね。そうすれば管理者に交渉し、一緒に取れるようにするにはどうするか考えれます。
そのためには「有給とはなんぞや」ということを知ることで意識が変わる第一歩だと思います。知ることで有給を取ろうという意識に変われます。
有給とはなんぞやを知る→職員の意識が変わる→管理者に交渉する→一緒に取れるようにするにはどうするか考える
なお有給についてはこちらに詳しく書いてありますのでぜひ参考にしてください。
Contents
有給休暇とは?

有給休暇の定義
有給休暇とは?
一定期間継続した労働者に対して、心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与される休暇。取得しても賃金減額されない休暇。
有給休暇が発生する要件
有給が発生する要件は二つです。
- 雇い入れ日から6ヶ月経過
- その期間の全労働日の8割以上出勤したこと
これにより、出勤数に応じて有給が発生します。
有給の発生日数
週所定労働時間30時間以上、所定労働日数が週5日以上の労働者 or
1年間の所定労働日数が217日以上の労働者は下記の日数が発生します。
雇い入れの日からの継続期間 | 付与される有給の日数 |
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月 | 20日 |
パートタイム労働者など時間数が短い場合は日数に応じて付与されます。
有給取得のルール
引用 厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説
守るべき事項 内容 年次有給休暇のタイミング 年次有給休暇は労働者が請求する時季に与えることとされています。労働者が月日を指定した場合、以下の時季変更権による場合を除き、その日に年次有給休暇を与える必要があります。 ※時季変更権使用者は、労働者から年次有給休暇を請求された時期に、年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には他の時期に年次有給休暇の時季を変更することができます。
例)同一期間に労働者が多数休暇を希望したため、全員に休暇を付与することが難しいと判断された時
年次有給休暇の繰越 年次有給休暇の事項は2年であり、前年度に取得されなかった有給休暇は翌年度に与える必要があります。 不利益取り扱いの禁止 使用者は年次有給休暇を取得した労働者に対して賃金の減額、その他不利益な取り扱いをしないようにしなければなりません。 例)皆勤手当や賞与の額の算定に対して、年次有給休暇を取得した日を欠勤または欠勤に準じて取り扱うなど、不利益な取り扱いをしないようにしなければなりません。
その他憶えておいた方が良い有給取得ルール
その他福祉の現場で憶えておいた方が良いルールを書きますね。
引用 厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説
時間単位休暇年次有給休暇は1日単位で取得することが原則ですが、労働者が時間単位での取得を請求した場合には、年に5日を限度として、時間単位で有給を与えることが可能です。労使協定が必要。
2019年4月より有給新ルール 5日間取得義務

2019年4月より有給を労働者に5日間取得させることが使用者の義務となった。
5日義務の対象者はだれ?
年次有給休暇が10日以上付与される労働者。
(週所定労働時間30時間以上、所定労働日数が週5日以上の労働者 or 1年間の所定労働日数が217日以上の労働者)
5日は何年以内に取得する?
引用 厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説
使用者は労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について取得時季を指定して年次有給休暇を所得させなければなりません。
5日義務の有給の取り方「使用者による時季指定」、「労働者自らの請求・取得」、「計画年休」のいずれかの 方法で労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させれば足りる。
【注意】
使用者による時季指定の場合もしっかり労働者の意見や希望を聞き、決める必要がある。
5日義務の有給を取らせなかったことによる罰則
年5日間の有給の取得させなかった場合は30万円以下の罰金の義務がかかります。
困った時は相談しよう。相談窓口

まとめ 奉仕の気持ちと労働環境を作らないことを混同しないで!

福祉や介護の現場で気をつけなければいけないことがあります。それが「奉仕の気持ちと労働環境を作る努力をしないことを混同しないこと」です。
管理者の中には「奉仕の気持ち」を利用し、労働者をこき使うことを押し付けてくる人がいますが、本来ならばその労働環境を作ることを怠った管理者の責任になります。
大切なことは私たちは「奉仕の気持ち」と「管理者が労働環境を作る責任」の違いを理解し、そこは「違う」と管理者に言うことが必要になってくることもあるでしょう。
有給取得への道
✅管理者の中には「奉仕の気持ち」を利用し、現場の職員に有給を取らせないことを押し付けてくる人がいる
✅しかし有給は労働者の権利であり、管理者は取得できる環境を作ることが仕事
✅奉仕の気持ちを利用してくる人には「違うと言う」ことを話し合う。