高齢者にしても障害にしても訪問介護事業所において、在宅の訪問介護員つまりホームヘルパーさんの人材不足は深刻な問題です。多くが
篠原
私も障害の居宅介護事業所の管理者なのでホームヘルパーさんの募集は悩みの種です。
まずは、小山けんいちさん(@kenny_gby)のこのツイートから。
訪問介護のヘルパーさん(常勤・非常勤ともに)を募集してもなかなか集まりません。そこで、みなさんが今の会社を選んだ理由を知りたいなぁと思いました。給与(時給)、通いやすさ、会社の理念に賛同したから…?それとも求人方法が間違ってるのか💧ハロワと地域新聞とホームページじゃ足りないのか?
これには多く反応がありました。
fukushiさん
訪問介護員って不安定な雇用で、収入が安定しないイメージです。そのうえ、仕事はハードで過酷。責任も重い。
fukushiくん
在宅に行くと、その利用者さんの家のルールに従う必要がありますからね。難しいです。
篠原
すべておっしゃる通り!とはいえニーズはすごくあります。 ヘルパーさんの取り合いになってしまいます。
訪問介護員のニュースではヘルパーさんの有効求人倍率は15倍とか。つまり、
15の事業所で一人のヘルパーさんを取りあっている状況です。
小山けんいちさん(@kenny_gby)のツイートにもありました、求人広告を出せば来る!という状況ではありません。
むしろ費用対効果を考えると求人広告の効率が悪く働くかもしれない。
篠原
以前に8万円をかけて新聞の広告で募集しましたが反応は0。電話なんぞ一本もかかってこない状況でした。営業の電話が増えるだけでした。
fukushiくん
これをしたら正解という方法はないのかもしれませんね。
万能作はない。そして予算もない。時間もない。それぞれの事業所の置かれている状況で創意工夫をするしかない。
とはいえ、どんな創意工夫をすれば良いのか?
小山けんいちさん(@kenny_gby)のツイートも参考にしながら、この記事でまとめたいと思います。
以前に人材募集についての下記の試行錯誤を書きました。
【検証してみる】中小の福祉事業所が良い人材を獲得するには?
その際課題がたくさんあるのですが、今までの管理職がやってこなかったことをやってみたいと思うことがたくさんあります。
これを...
これにより、私の事業所では正規職員募集には成功してます。とはいえ、またヘルパーさんとなると結構大変になります。
ホームヘルパーさんの募集について
有効求人倍率も15倍と深刻な状況で、万能策がなく、時間や予算も限られた中でそれぞれのおかれている事業所で創意工夫するしかない。
どんな創意工夫すればよいか?まとめます。
訪問介護員、ホームヘルパーさんになった応募の決め手は何?
ホームヘルパーさんはなり手がいないわけではないので、その中でもどのように選んだが創意工夫のヒントを抽出したいと思います。
まずは小山 けんいち(@kenny_gby)さんのこのツイートから。
また、うちは障がいのある方への支援となりますが、高齢者の訪問介護と比べてイメージが湧きにくいとかあるのでしょうか?長く求人を出してますが、一件も応募がないので焦ってます。何が悪いのか…うーむ、です。お知恵や「自分はこれが決め手だったよ!」とか教えて欲しいです
篠原
障害福祉と高齢者介護ではだいぶ仕事内容が違いますからね。
fukushiくん
それをわかりやすく伝えるということも大事ではないでしょうか?
ツイートへの返信から考察したいと思います。
1,会社のイメージ・労働条件・給料・内容・良さを具体的に伝えること
篠原
特に多かった返答ではケニーさんのツイートにもあるように
内容がわからないということが多かったです。
それからそれをどんな媒体で伝えるか?チラシでも良いし、今ではHPやSNSを含め色々な伝え方がありますからね。それは3でお伝えします。
fukushiくん
チラシをみたら必ず今は検索してHPを見ますからね。その流れを作るのも大事ですね。
回答例。
( )は読み解ける工夫例
- 障害はイメージ湧きにくいので、応募の時にこんな感じの方の所へと例を載せては?
- HPからどんな社風かを推測して、合いそうなところへ入社した。
- 社内研修でスキルや予防知識を磨けること
- SNS等で施設や仕事の雰囲気が分かると受け入れやすいかもしれない
- 極端かもしれませんが、諸々含めて訪問介護はスキルが高い人でないと無理と思われて敬遠されがちなのではないか?(「研修を月に1度行なっています」「先輩職員同行しています。」「研修をしっかりしている」などが伝わればよい?)
- 事業所説明が抽象的(アットホームな~や、やりがいのある~など。なんの説明にもなっていない)。
- とにかく入り口が広いのは×。(未経験者、週1日、1時間からokなど。誰でもokのとこは、スキル高い人は避けやすい)
- 時給も何円。って書くのではなく何円~の~が大事なのでは?その方が夢がある。
- 社風をどのように伝えるかが大事
- 価値に関して、もっと打ち出したり発信したりしてもいいのかな、と思いました。
2,介護福祉業過で絶対に外せない手段「紹介」
篠原
介護福祉業界なら最終的に外せない手段が
「紹介」ですね。
人伝え、という方法が大きく左右されることは間違いない。
むしろほかの手段は最終的に「紹介」を引き出す手段といっても過言ではないかもしれません。
fukushiくん
職員さんを大事にしてくれる組織なら紹介も多そうですね。
逆に職員の使い捨てや労働基準法違反をしている組織では紹介がなさそうですね。
回答例。
( )は読み解ける工夫例
- 友人の紹介で仕事を選んだ
- うちの事業所は紹介が多い
- 保護者さんが支援する側なった
- 求人以外のとこから皆来ている
- 従業員の紹介で入職される方が多かったですね
- 管理者が研修の講師をされてて、受講したご縁で登録した
3,媒体を選ぶ
篠原
多かった答えの中では、
どんな媒体を選ぶかということ。
求人広告の貼る場所1つとっても色々工夫が出せます。
チラシや求人広告から検索してホームページという流れもありますから。ホームページの充実やHPをスマホサイト対応にしておくというのもポイントかもしれませんね。
回答例。
- (芸能人が広告塔となっている)今時の求人サイトが良いのでは?
- 現場も離職率高いですが、タウンワークとハロワで広告出してポチポチきてます。
- 児童福祉専攻の短大などにも募集を出していた
- HPからどんな社風かを推測して、合いそうなところへ入社した。
- 私は福祉関係の就職フェアで現在の職場を見つけました。
4,同じ法人で、他の事業所と兼務の職員として採用
篠原
訪問介護事業所単体ですと色々超えなくては行けないハードルが多いですが、他の事業所が併設されている方だとそちらの兼務の職員として採用すると問題が緩和されます。
fukushiくん
もしくはすでに他の事業所で働いている職員に声をかけても良いですね。
回答例。
( )は読み解ける工夫例。
- うちは一人の支援員が通所・ショートステイ・ヘルパー・グループホーム事業に関わっています
- 他の職場と違って魅力的に思えたのは通所(就労継続支援・生活介護)、ショートステイ、居宅・移動支援など複合的に支援を行っていたことでした
5、問題を解決し、アピールに使う!
篠原
ツイートの意見で多かったのは「訪問はやはり難しい!」ということでした。
fukushiさん
リスクが多いし、雇用も不安定、一人ですし、大変です。
篠原
問題を逆手に取ったらどうでしょう。 問題を1つ解決したらそれをアピールポイントとして使えます。
fukushiさん
なるほど〜。問題に取り組んだことがアピールになるのですね。すぐには全ては無理でもコツコツ変えていけば徐々にアピールポイントも増えてきますね。
訪問は問題は山積み。そして難解。しかし、それを1つ解決したらそれが今度はアピールとして使えませんか?
うちの事業所はここが出来る!というのがアピールになります。
では訪問にはどんな問題があるでしょう。ツイートから抜粋したいと思います。
回答例。
( )は読み解ける工夫例。
- 人の家に入るのイヤ(移動支援や同行援護など専門の方)
- 訪問先で駐車場ない問題(路駐)(駐車許可。コインパーキングの検討。)
- 働く場所が毎日変わる (4の職種連携。)
- 給料が安い (賞与、処遇改善加算、特例交付金)
- 時間不定期 (パートタイムへの変更)
- 訪問じゃなくてデイや入所すれば?問題(ケース会議)
- 買い物は出前スーパーとかAmazonですれば?問題(ケース会議)
- 訪問+障害者対象だと車等の交通手段が必須な事とスキル・環境とも順応性と高い物が要求される印象的なので新卒者やブランクのある人達からは第一候補から外れやすい感じですね(移動の工夫。個別支援などの資料の充実、研修・ケース会議充実・先輩職員同行の充実。)
- 訪問は「時間内にやることをきちんと終わらせ、ミスはしてはいけない」というイメージがあります。(個別支援などの資料の充実、研修・ケース会議充実・先輩職員同行の充実。やることを簡素化。)
- 先輩に怒られ、上の人達にも逐一報告されすっかり(使えない奴)認定されてしまいました(個別支援などの資料の充実、研修・ケース会議充実・先輩職員同行の充実。やることを簡素化。労いなどフォローシップを充実させる。)
- 訪問介護はスキルが高い人でないと無理(個別支援などの資料の充実、研修・ケース会議充実・先輩職員同行の充実。やることを簡素化。マニュアル化)
- 居宅支援は通所などと違って一人だけの支援になるため、支援者の負担も大きく不安が強い(相談しやすい体勢、ケース会議などの充実)
まとめ ツイートから導き出された対策「4つの極意」
篠原
本当に素晴らしい内容でした。やることに希望が持てました。私もこのツイートを参考にヘルパーさんの募集に取り組んでみたいと思います。
fukushiさん
結局はコツコツ日々のマネージメント・組織づくり、ケース会議などをしっかりするということが大事ということもわかりました。
fukushiくん
すぐに取り組めることから時間をかけて取り組めることもありますが、1つ1つ改善できたら良いですね。
4つの極意!
1、内容は具体的に伝える
自分たちの行なっていることをHPやチラシ、求人広告を使い具体的にアピール。今ではHPがあるのでHPを充実させ、チラシなどは検索への誘導でも良い。抽象的ではなく具体的に、現場の「リアル」をどう伝えるか?が鍵。
2、媒体の工夫
チラシを1つ取ってもどこに置くかで違う。学校?求人広告?タウン誌?HPへの誘導。
3、事業所間で兼務の募集かけたり、処遇やケース会議など働きやすさ、働きにくさを改善
就業規則や雇用契約も関わってくるので運営に相談したり、現場からも提案する。
4、改善したこと、工夫したことをアピール
行えたことはアピールに使える!
なお私なりに募集についてまとめた記事はこちら。
【検証してみる】中小の福祉事業所が良い人材を獲得するには?
その際課題がたくさんあるのですが、今までの管理職がやってこなかったことをやってみたいと思うことがたくさんあります。
これを...
お知らせ
日々現場で奮闘している介護職員福祉職員のお悩みアドバイス
- 普段現場で奮闘している
- 介護職員や福祉職員に転職したい方
- 今の職場で悩んでいるがどのような施設に転職したらよいか?
などのお悩みにブログの記事としてアドバイスさせていただきます。(個人の情報は厳守します)
ちなみに筆者の簡単なプロフィールはこちら。
〇現在は障害者居宅介護事業所「管理者兼サービス提供責任者」
〇特別養護老人ホーム4年や障害者施設10年以上、介護や福祉の現場に携わる
〇吃音症の悩みがあり、自助グループでグループカウンセリングを学んだことからカウンセラーを目指し心理学を勉強。一度は独立を夢見るが失敗。就活の上やはり同じ会社に出戻りする。
筆者の具体的なプロフィールはこちら。
内容は下記にお伝えくださいね。
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