篠原です。
介護や福祉の退職理由で多いのが「人間関係」での退職と「会社との方針が合わない」と言う理由ですが、その中でも大きい理由があるんです。
先日こう言うツイートをしました。
介護や福祉の現場で若い職員が心が折れて退職を決める瞬間。
勇気を出して改善案を言ったにも関わらず上司や会社に相手にもされず「この上司や会社は何やってもダメだ。変わらない。」と思った時。
逆に提案したことを全て実現せずとも真剣に上司が考えてくれたら「なんとかなる」と希望を持てる。
— 現役福祉施設職員 サ責 篠原 (@masayukishino8) August 6, 2020
介護や福祉の現場で若い職員が心が折れて退職を決める瞬間。
勇気を出して改善案を言ったにも関わらず上司や会社に相手にもされず「この上司や会社は何やってもダメだ。変わらない。」と思った時。
逆に提案したことを全て実現せずとも真剣に上司が考えてくれたら「なんとかなる」と希望を持てる。
ある本で読んだんですが、人のモチベーションを上げる方法は一筋縄では行きませんが、人を無気力にするのは簡単な話。
何をしても正解がなく感情的に叱りつける。そのうち「何やってもダメだ」と無気力になる。
ん?これ介護や福祉の現場でよく経験したような??
上司は職員の健康まで左右する。
— 現役福祉施設職員 サ責 篠原 (@masayukishino8) August 6, 2020
ある本で読んだんですが、人のモチベーションを上げる方法は一筋縄では行きませんが、人を無気力にするのは簡単な話。
何をしても正解がなく感情的に叱りつける。そのうち「何やってもダメだ」と無気力になる。
ん?これ介護や福祉の現場でよく経験したような??
上司は職員の健康まで左右する。
学習性無力感
あれこれ試行錯誤したのにうまくいかず「何をやってもだめだ」と諦め、試行錯誤や努力を諦めること。
- 上司やお局職員が気分屋で、その日の気分であれこれ変え、自分の意にそぐわないと感情的に怒り性格がわからず学習性無力感に陥る
- 現場の人数が少ないから増やして欲しいと上司に勇気を出して訴えたにも関わらず、相手にもされなかった。ので学習性無力感を感じる。
逆にこう言う例はどうでしょうか?
- 若い職員の提案を実現せずとも上司や会社が真剣に検討し「今は●●な理由でダメだけど良い提案をありがとう」と上司に言われた
- 若い職員に責任ある仕事を任せる。丸投げではなく、上司が要所要所話を聞いてくれたりアドバイスもくれる。失敗も経験と捉え、任せてくれる
- 職員の提案を聞いてくれ、まずは議論し、聞いてくれる職場。
人がやる気になれたり、逆にやる気が折れてしまったりする理由の大きい要素があります。
裁量度
裁量=自分で物事を判断、決定し、物事を処理すること
- 若い職員がやめてしまったり、やる気を感じなくなるのは、人間関係や会社との考えの違いと言うデータがあるが、その中で「学習性無力感や裁量の小ささ」を感じた時にやる気が切れる
- 裁量が小さ時に起こるやる気ダウンやストレスはどれくらい?
- 裁量を大きくするには具体的にどう対応したらいい?
Contents
若い職員が人間関係や会社にストレスを抱え退職する大きな理由=学習性無力感や裁量の小ささ

裁量度が小さいとストレスを抱えることを表した研究
若い職員がやめてしまったり、やる気を感じなくなるのは、人間関係や会社との考えの違いと言うデータがありますが、その中で「学習性無力感や裁量の小ささ」を感じた時にやる気が切れると言う話をしました。
- 約28000人の公務員を対象に調査
- 上司に当たる人より部下に当たる人の方が4倍も健康リスクを抱えた
- 要因は、上司に当たる人の方が「裁量度が高い」と結論づけた
- 部下に当たる人の方がストレスを抱え安く、健康被害を追いやすいのは「裁量度が小さいから」との理由
- 人は裁量度が小さいとストレスを抱えやすい
- 上司に当たる人の方が責任も大きいがその分裁量度が大きいのでストレスが小さい
- 上司や会社に「何をしても無駄」と言う学習性無力感を感じる(裁量度が小さいと感じる)とストレスを感じ、やる気が失われる
介護や福祉現場に見られる学習性無力感や裁量度の小ささ
- 利用者に気持ちやペースに合わせる仕事
- 仕事の時間や場所を選べない。
- 時間管理も利用者のリズムに合わせた仕事が多い
- 給料も安く、行動の選択肢も狭まられる
- 現場の問題を上司に勇気を持って言っても、反論されたり、嫌がられられたり、聞いてもくれないことがある。解決はもちろんされない。
- 上司の気分的な判断に振り回される
- 自分勝手な職員の都合に振り回され、上司に相談しても解決しない
若い職員がモチベーション高く仕事するための上司や先輩職員の6つのヒント

- 若い職員からの提案は聞き、勇気を持って言ってくれたことをまずは労う
- 提案内容は出来なくても構わないが「●●の理由で今は出来ない」と伝える
- なるべく仕事を任せる
- 丸投げしない。状況や気持ちを聞く。
- 時に答えは教えないことも優しさ。答えを求められたら教えるのではなく質問してあげるのも優しさ。
- 失敗させる体験させて責任は上司が一緒に取る
ヒント1、若い職員からの提案は聞き、勇気を持って言ってくれたことをまずは労う
先輩職員が思っている以上に若い職員は気を使っているのです。その提案を「パシッ」と断られると、「もうだめだ」と感じます。
提案してくれたことをまずは労いましょう。下記のような労いが良いかと思います。
- 勇気を持って伝えてくれてありがとう
- これからもどんどん提案して欲しい
- 話を聞くから言いたいことは言って欲しい
ヒント2、提案内容は出来なくても構わないが「●●の理由で今は出来ない」と伝える
若い職員の提案なのでちょっとマトが外れていたりすることもあるでしょう。それを頭ごないしに否定すれば「もうだめだ」と感じます。
出来なくても「検討をしてみる」など一度真剣に考えていると言う姿勢が大事です。下記のようなことが良いかと思います
- 一度検討してみる
- 全ては無理だけど、せっかくの提案だから頑張って交渉してみる
- 提案内容は●●の理由で出来ない
- この部分はちょっと無理だけどこの部分は採用させてもらう
ヒント3、なるべく仕事を任せる
部下に仕事を任せるのを嫌がる人がいますが下記の理由からでしょう。
- 教える時間を考えると帰って遅くなるから自分でやってしまった方が早い
- 失敗すると上司が責任を取らなくてはいけないから嫌だ
- 初めは時間がかかるが、長い目で見ると時間短縮に繋がる
- 丁寧に教えたりすることで部下は上司に感謝の気持ちが湧き、いずれ強い味方になってくれる
- 失敗の時に一緒に責任を取ることでいずれ強い味方になってくれる。部下も新しい部下に同じことをしてくれると多くの人が育ち、いずれ強いチームになる。
ヒント4、仕事を任せても、丸投げせずポイントだけ伝えたり、状況や気持ちを聞く。
仕事を任せるにしても「丸投げ」ですと、それは逆にストレスになります。
その人にとったら頑張れば飛べる段にしてあげる必要がありますね。
- ポイントを伝える
- わからない時に話を聞いたり状況や気持ちを聞く
状況や気持ちを聞いてあげるだけでも、人は気づき、答えを見つけ出すこともできる時があります。
ヒント5、時に答えは教えないことも優しさ。答えを求められたら教えるのではなく質問してあげるのも優しさ。
部下が試行錯誤している最中、答えを教えてあげないことも時に優しさになります。自ら考え、感じ、体験することで部下の成長に繋がります。
自転車を初めて乗るとき言葉でコツを言ってもなかなか出来ませんよね。転びながら体でバランスを掴むしかないのと同じですね。
- これ失敗するな〜と思ってもあえて口出しせずに見守り、一緒に失敗してあげるのも優しさ
- 失敗したら「大変だったね。でも気づけたね」と伝えてあげる
- もしヒントを求められても答えを伝えるのではなく質問してあげても良い」
- 質問例「それをするにはどうしたらいいだろうね?」「どうしたらできると思う?」「どうして出来なかったと思う?」
ヒント6、仕事を任せても失敗したら責任は上司が一緒に取る
部下に仕事を任せて失敗したら、責任を上司が一緒にとって一緒に謝ってあげましょう。部下はそれに対して恩を感じ、上司の強い味方になってくれます。部下も新しい部下に同じことをしてくれると多くの人が育ち、いずれ強いチームになるでしょう。
参考になる本 上司や管理者になる人は必読
- 部下の管理や教育に悩んでいる
- 退職率が高い
- すぐに職員が辞めてしまう
などの職場や上司におすすめです。
まとめ、人の教育は大変だからこそ、一生懸命やれば返ってくるものも大きい
- 教育は大変ですが、丁寧に教えれば、人は最初の時にしてくれた恩を忘れず、部下が強い味方になってくれる
- 部下の部下も同じことをしてくれいずれ強いチームになる