現役福祉職員で心理カウンセラーの資格を持つ篠原です。
介護や福祉の仕事をしているとやたら指示が多い上司がいませんか?
「掃除の仕方」「書類の書き方」「利用者対応の仕方」「作業の進め方」・・・etc
右も左もわからない新人の頃ならともかく、慣れてきた職員にも口出してくるお節介焼きな人です。
・「それいる?」と言うぐらい細かく指示する
・なんでも自分の仕方ではないと気が済まない etc
最近の研究では、人がストレスを感じることの多くに「裁量権のなさ」と言うのが挙げられています。
裁量とは自分で判断し、考え、行動することです。ブラックな職場環境は労働環境を含め、裁量がなく、「何をしてもダメだ」と言う学習性無力感を感じる職場です。下記が参考図書になります。
指示上司があれこれ細かく言うたびに職員の裁量が失われてしまいます。職員のやる気がダウンしてしまいます。
そこでこの記事では指示上司の対策をお伝えしたいと思います。
上のものに絞って解説したいと思います。
Contents
そもそもなぜ指示上司は指示を出したがるのか?

そもそもなぜ指示上司は指示を出したがるのでしょうか?
「仕事を効率的に終わらすため?」「部下が成長して欲しいから?」
違いますよね。私の経験談も含めて解説したいと思います。
タクシーか!いちいち道を指示してくるクソ上司!
介護や福祉の現場では毎日創意工夫の連続ですよね。それは何かしらの「意図や目的」があるからです。しかし指示上司の指示は「意図や目的が意味不明なこと」がたくさんあります。
私が上司を乗せて車を運転中にいちいち道を指示してくるクソ上司がいました。当時入って数ヶ月が過ぎていたので、ある程度道は分かっています。送迎中などではありません。その道がわからないとかであればわかりますし、送迎で1分1秒を争うというのならまだわかります。でもそうではない普通の時でした。いちいち指示することに何の意味があるのでしょうか?
指示上司はたまにこんな理屈をつけてきます。「近道すればガソリン代が浮く」とか。いやいや指示上司がやめてもらった方が数倍人件費が浮きますよ。
結局指示上司の本当の目的は「相手を思い通りにコントロールしたい」こと
なぜ指示上司がたくさん指示を出したかというと「自分の思い通りに相手をコントロールしたい支配欲求」ですね。コントロールすることにより相手をマウントしたいとか、存在を誇示したい。
なぜ指示を出して相手を思い通りにコントロールしたいか?というと、満たされない気持ちを抱えていたり、劣等感が強く自己肯定感が低いのでしょうね。目的は存在の誇示なのでそんな上司に振り回されて悩むのはバカらしいです。
指示上司は良かれと思ってやっている
本人は上司としての責任として「良かれと思ってやっています」が、実際の効果は「逆」ですよね。指示が増えれば増えるほど相手は指示上司に反発してしまいます。
そもそもなぜ私たちは多すぎる指示を嫌うのか?

新人の頃はどうしていいかわからないのである程度指示が必要ですが、だんだん慣れてくると多すぎる指示がウザく感じますよね。ちょうど思春期になると親の指示がウザく感じるのと同じですね。なぜでしょうか?
私たちは考え、行動し、工夫することに喜びを感じるから
とても有名なモチベーションを研究された本です。
お金や給料だけがもらえれば良いというのならもっと別な仕事を選んでいますよね。
そのものが楽しいとか、工夫することが楽しいとかの動機を「内発的な動機」と言います。逆に給料や報酬で動くモチベーションは「外発的な動機」ですね。特に金稼ぎのみを求めて介護や福祉の仕事を選んだという人はあまりいないと思います。人のためになるとかですよね。
指示上司の多すぎる指示を嫌うのはこの内発的動機を奪うからです。職員が考え、工夫し、失敗し、体験することを奪いますからね。多すぎる指示はモチベーションを奪うから私たちはウザく感じるのです。
もし自分が上司の立場ならどうしたら部下が考え工夫し失敗し体験する経験を積ませるか考えることも、部下がやる気になる秘訣ですね。
親子で子供が小さい頃は学校に行くのに親が色々指示をします。「ハンカチ持った?」「ほらあれ忘れてるじゃない」「だらしないと周りから笑われてしまうよ」・・・etc。
しかし子供が中学生くらいになっても「同じコミュニケーション」をされたら子供はどう感じるでしょうか?嫌ですよね。「少しは信用しろ!」と思ってしまいます。
仮にそれで周りから笑われてもそれが経験になります。自分で考え、感じ、行動する経験を奪っているからです。
私たちは普段自然に色々なことを行なっています。「歩いて」と手足に命令を出されなくても勝手に歩いています。
相手に「ちょっと普通に歩いてください」と指示を出すだけで、ちょっとぎこちなく歩くことになります。
さらに「手を動かして、足を動かして」と指示を出すと、ロボットのようになり自然に歩けなくなってしまいます。
では指示上司にはどう対処したら良いのか?

では指示上司には実際どう対処したら良いのでしょうか?二つのパターンに分けてみました。
指示はうざいがそれほどストレスにはなっていないという場合や事柄
ほっとくことが出来ればほっとくのが良いでしょう。指示上司も相手をコントロールしたいと気づいていない場合があります。あなたを攻撃したくて指示を出している訳でもないと思います。
内容も建設的な生産性のある内容ではないことが多いと思いますので適当に合図地を打って、ほとんど聞かなくて良いことは聞かなくて良いでしょう。
仕事に支障が出るほどストレスになっている場合や事柄
指示上司が仕事に行きたくないなどストレスになっている場合や事柄は対処する必要がありますね。
対処の方法は下記です。
指示上司にやすやすと指示を出せないように反応する
相手が指示を出しすぎるのは「あなたが指示を聞いてくれる居心地の良い存在」だからでもあります。もし指示上司が指示を出すたびに、不快に感じたら、やすやすとあなたに指示を出せないようになります。
相手をコントロールする方法は、この記事が参考になります。

上司の上司に相談する
上司の上司に相談してみましょう。上司から話してもらえるよう訴えます。上司を挟むことがかなりの抑止に繋がります。その際「逆襲が怖い」などありますが、同僚を巻き込み複数で相談にいくなどし、一人がターゲットにされることを防ぎます。

なんでも「ハイハイ」聞いてしまうことを止める
指示上司がやすやすと指示を出せない部下たちならば、指示上司になれません。
意見を言うぐらいで相手に嫌がられることや嫌われることを極端に襲えるメンタルでしたら、なるべく改善した方が良いかもしれません。
それを改善したいなら下記記事が参考になります。

指示上司対策まとめ

✅指示上司の指示はほとんど存在の誇示。あまり聞く意味ない。
✅スルーできるならスルーする
✅指示を心地よくさせないというあなたの態度も大事で、「嫌われたくない」というメンタルが邪魔をしてしまう