令和3年度障害福祉サービス等報酬改定が2021年2月4日に発表されました。
報酬改定ってそもそもわからないという方は下記の記事で解説したので先に下記を確認した方が良いです。
今回の記事では報酬改定の詳細を具体的に見ていきたいと思います。
そこでまずは原文をしっかり読み込んで、わかりやすく解説したいと思います。ツイッターなども検索し、他の分野の声も載せていきたいと考えます。
報酬改定詳細はこの3つの資料になります。
全ての詳細を振り返ることは出来ませんので下記を今回行いたいと思います。
- 今回の報酬改定に至った経緯をおさらい
- その上で全体のポイントを確認
今回の報酬改定に至った経緯をおさらい

報酬改定のこれまでの経緯
参照:報酬改定の概要より令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に係る基本的な考え方
1.これまでの経緯
○ 障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)の施行から14 年が経過し、障害福祉サービス等の利用者は約120 万人、国の予算額は約1.6 兆円とそれぞれ約 3倍に増加するなど、障害児者への支援は年々拡充している。 また、昨年5月には、令和3年度から令和5年度までの第6期障害福祉計画 及び第2期障害児福祉計画を作成するための基本方針が示されている。
○ 今般の報酬改定では、障害者の重度化・高齢化、医療的ケア児や精神障害者の増加などに伴う障害児者のニーズへの対応、サービス利用の中核となる相談支援に係る質の向上等のための報酬改定を行う必要がある。
○ さらに、利用者数やサービスを提供する事業所数が急増しているサービスがある状況において、サービスの質の向上や制度の持続可能性の確保等の観点を踏まえ、エビデンスに基づくメリハリのある報酬体系への転換が求められる。
○ 一方、昨年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機として、障害福祉サービス等が利用者やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、感染症等が発生した場合でも、利用者に対して必要なサービスが安定的・ 継続的に提供されることが重要であることが再認識された。
○ 今般の新型コロナウイルス感染症への対応に際しては、各事業所において、 大変な苦労を払い、感染症対策を講じながら必要なサービス提供の確保に取り組まれており、今後も感染症への対応力を強化し、感染対策を徹底しながら、 必要なサービスを継続的に提供していく体制を確保することが必要である。
○ このような状況の中、昨年末の令和3年度予算の編成過程において、令和3 年度障害福祉サービス等報酬改定の改定率は全体で+0.56%とし、感染症等への対応力を強化するとともに、サービスごとの報酬の設定においては、サービスの質の向上や制度の持続可能性の確保等の観点から、サービスごとの収支状況を踏まえつつ、メリハリのある対応を行うこととされた。
○ 障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおいては、昨年2月から18 回に わたって議論を行い、この間46 の関係団体からヒアリングを実施した上で、 個々のサービスの現状と論点を整理しながら検討を積み重ねてきた。 この「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」は、上記の経緯等も踏まえつつ、これまでの検討内容を整理し、取りまとめたものである。
- 障害者の重度化・高齢化、医療的ケア児や精神障害者の増加などに伴う障害児者のニーズへの対応。
- 中核となる相談支援に係る質の向上等のための報酬改定を行う
- サービスの質の向上や制度の持続可能性の確保等の観点を踏まえ、エビデンスに基づくメリハリのある報酬体系への転換
- 感染対策を徹底しながら、 必要なサービスを継続的に提供していく体制を確保することが必要
重要な6つの主な改定内容
特に主な改定内容は下記です。
参照:報酬改定の主な概要
- 障害者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活の支援、質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し等
- 効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細かな対応
- 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進
- 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進
- 感染症や災害への対応力の強化等
- 障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための 報酬等の見直し
なぜその報酬改定に至ったかが書かれています。
1、障害者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活の支援、質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し等
目的部分を青字、ポイントを赤字でつけて、それを篠原的に簡単にまとめてみました。
引用:報酬改定の概要より基本的な考え方
- 障害者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活の支援のために、 地域における生活の場である共同生活援助について、重度化・高齢化に対応 するための報酬等の見直しを行うとともに、生活介護等における重度障害者への支援の評価を行う。
- 障害者が地域で安心して一人暮らしを継続できるよう、自立生活援助の整備促進のための見直しを行うとともに、障害者の重度化・高齢化や親亡き後 を見据え、地域生活を支えるために整備を進めている地域生活支援拠点等の機能の充実を図る。
- 相談支援を担う人材の養成と地域の体制整備による質の高い相談支援を 提供するための報酬体系の見直しを行う。
○障害を持つ利用者の重度化、高齢化に対応するために生活援助や生活介護の重度支援に対する報酬等の見直しを行う
○また自立生活援助や地域生活支援拠点の整備促進
○その中核となる相談支援の充実
2、効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細かな対応
目的部分を青字、ポイントを赤字でつけて、それを篠原的に簡単にまとめてみました。
引用:報酬改定の概要より基本的な考え方
- 障害者の希望や能力、適性に応じた効果的な就労支援に向けて、就労系サ ービスについて、前回改定で導入した実績に応じた報酬体系の更なる見直しを行うとともに、支援効果を高める取組の評価や多様な就労支援ニーズへの対応等行う。
- 在宅生活の継続や家族のレスパイト等のニーズに応じるため、短期入所に おいて、医療的ケアを要する者などの受入体制の強化を図るとともに、日中活動支援の充実を図る。
- 施設入所支援、訪問系サービスにおける利用者のニーズへのきめ細かな対 応を評価する。
○就労系サービスが本人の希望や適正に応じた就労支援へ向けての報酬体系の見直し
○医療的ケアを要する利用者の短期入所の受け入れ等の強化
○その中核となる相談支援の充実
3、医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進
目的部分を青字、ポイントを赤字でつけて、それを篠原的に簡単にまとめてみました。
引用:報酬改定の概要より基本的な考え方
- 医療技術の進歩等を背景として、人工呼吸器等の使用、たんの吸引などの医療的ケアが必要な障害児(医療的ケア児)の支援について、前回改定で導 入した医療的ケア児に係る判定基準を見直すとともに、児童発達支援及び放課後等デイサービスの基本報酬区分に医療的ケア児の区分を設定すること 等を通じて、医療的ケア児が地域において必要な支援を受けやすくなるよう サービス提供体制を強化する。
- 放課後等デイサービスの基本報酬について、区分1・区分2の体系を廃止する。
- 児童発達支援及び放課後等デイサービスについて、ケアニーズの高い障害児の支援や専門職による支援などを評価する報酬体系に見直すとともに、支援の質を向上させるための従業者要件の見直しを行う。
- 障害児入所施設について、「障害児入所施設の在り方に関する検討会」による提言などを踏まえ、人員基準の見直し、小規模グループケアやソーシャルワーカーの配置等を推進する。
○医療的ケア児の判定基準の見直し
○児童発達支援と放課後等デイサービスの報酬体系の見直し
○障害児入所施設の人員基準見直しやソーシャルワーカー等の配置推進
4、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進
目的部分を青字、ポイントを赤字でつけて、それを篠原的に簡単にまとめてみました。
引用:報酬改定の概要より基本的な考え方
精神障害者等が地域社会の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労)、地域の 助け合い、教育が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を推進する観点から、 障害福祉サービス等報酬において、 地域包括ケアシステムの構築に資する取組を評価する。
○精神障害者が地域で安心して暮らしていけるよう地域包括ケアシステムの取りくみの評価
5、感染症や災害への対応力の強化等
目的部分を青字、ポイントを赤字でつけて、それを篠原的に簡単にまとめてみました。
引用:報酬改定の概要より基本的な考え方
- 障害福祉サービスは障害のある方々やその家族の生活に必要不可欠なも のであり、感染症や災害が発生した場合であっても、感染対策等を講じながら、利用者に対して必要なサービスが継続的に提供されるよう、これらの発生に備えた日頃からの備えや業務継続に向けた取組を推進する観点から、運営基準について必要な見直しを行う。
- 今般の新型コロナウイルス感染症への対応に係る障害福祉サービス等の臨時的な取扱いについて、感染症や災害の発生時も含めた支援の継続を見据えて、就労系サービスにおける在宅でのサービス利用や報酬上の加算の算定 に必要な定期的な会議の開催等に係るICT等の活用等について、平時においても可能な取扱いとする。
○感染症対策を行いながらサービスが継続的に提供できるような運営基準の見直し
○感染症対応での臨時的な取り扱いで報酬やICTでの活用等も平時でも可能な取り扱いとする
6、障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための 報酬等の見直し
目的部分を青字、ポイントを赤字でつけて、それを篠原的に簡単にまとめてみました。
引用:報酬改定の概要より基本的な考え方
- 障害福祉サービス等において利用者数・事業所数が大幅に増加しているサ ービスも見られるなど、その状況が変化する中で、制度の持続可能性を確保しつつ適切なサービス提供ができるよう、サービス提供を行う施設・事業所 の実態等を踏まえた上で、報酬・基準等の見直しを行う。
- 障害福祉サービス等の現場の人材確保・ICTの活用による業務効率化を 図るための報酬・基準等の見直しを行う。
○適切な制度運営が出来たり、人材確保、ICTなどの業務効率化のための報酬改定を行う。
ツイッターでの今回の報酬改定の声

検索したものを一部お伝えしたいと思います。
生活介護
今回の報酬改定は生活介護に影響が出る可能性が高いと言われている。
情報をキャッチする力がないと弱小法人は立ち遅れてしまう。
以前から話にあった送迎加算や食事提供加算はどうなるのか?
共同生活援助事業
重度加算対象者が区分が4以上に広がったらうちの施設は助かる
就労継続支援B型事業所
利用者の障害の程度で工賃が変わるということもあるから逆に工賃が低い事業所ほど支援の手を増やしたいが。。。
まとめ 自分と関係のあるところを読み込んでおきましょう。

報酬改定は運営や予算に響くので、本当に大事なことです。ぜひ自分と関係あるところだけでも読んでおきましょう。