介護職福祉職に就く人は断ることが苦手でそれによりストレスを抱えている人が多いのではないか?という前回の記事の続きです。
なぜ介護職、福祉職に就く人が断ることが苦手なのか?といういうと下記の3つの理由があるからではないでしょうか?
- もともと性格上苦手
- 職業の性質上利用者本位で断ることに抵抗がある
- 断ることで自責の念にかられる etc
そこで断る技術を学ぼうというこの記事なんですが、小手先の口先だけを学んでもこれはまずいと思います。
なぜなら、断ることで下記の理由があるからです。
- 罪悪感を抱える
- 断るごとにストレスを抱える
- 結果メンタルに負担がきて病むことがある
「考え方の癖」を直すことで、断ることに抵抗やストレスを感じることを少なくする。
- 断ることに抵抗やストレスを感じやすい人が抱える「考え方の癖」とは?
- 考え方の癖を見直すことで断ることに抵抗を感じることを少なくするメンタルトレーニングとは?
断ることに抵抗やストレスを感じやすい人が抱える「考え方の癖」とは?

考え方の癖とは?人は色眼鏡で景色を見ている。
「考え方の癖」とはなんでしょうか?
仮に上司に同じように怒られた二人がいるとしましょう。同じ出来事に遭遇したのにまるで二人の感じ方考え方が違うことがあります。
この二人のその後の感じ方やストレスはまるで違うことになるでしょう。fukushi さんの方がストレス値や悩むことが多そうです。
これはそれぞれ根本の考え方が違うからです。この「考え方の根本的な癖」を心理学では「フレーム」とか「スキーマ」と呼びます。

サングラスと同じ、同じ外の景色でもオレンジ色のメガネをかければオレンジに見えて、赤のサングラスをかければ景色は赤に見えます。
では先程の二人はどんなフレームを持っていたかと言うと、もしかしたら
のようなフレームがあることが考えられます。
考え方の癖はアップデートが必要?
同じ家や部屋住んでいると物が溜まっていきます。その際、古い物や使わなくなったものを捨てて「今必要なもの」を残します。仮に古い物を捨てないとどうなるでしょうか?
学生の頃に使っていた物?昔読んだ漫画?昔行ったゲームetc
今は使いませんが、捨てられないからとどんどん物が増えていきます。しまいにはものが溢れ、現在必要なものがどれだかわからなくなったりします。
部屋を必要なものに見直して、「今」いらない物を処分する必要がありますね。
これは「認知行動療法」といい、鬱や統合失調症にも高い効果の研究があります。現在精神科では保険適用となっている方法です。詳しくは下記を見てください。

断ることに抵抗を感じる3つの考え方の癖
断ることにストレスや抵抗を感じてしまう人に多いであろう考え方の癖を3つあげました。
- NOということで相手を傷つけてしまう
- NOということで相手に嫌われてしまう
- 私は常に他人を喜ばせないといけない。他人の気持ちや要求を重要視しないといけない。
考え方の癖1、NOということで相手を傷つけてしまう
相手からの依頼やお願いにNOということや断ることで相手を傷つけてしまわないかという考え方の癖です。
介護職や福祉職に就こうする方は自分が過去傷ついたり、身内に同じような境遇があったりし、人のためにこの仕事を選択したという人もいます。
なので傷つけてしまうことを恐れるあまり断ることに抵抗やストレスを感じてしまいます。
でも決して
断ること=傷つける
ではありません。この考え方の癖や思い込みを断ち切る必要があります。
考え方の癖2、NOということで相手に嫌われてしまう
相手からの依頼やお願いにNOということや断ることで相手に嫌われてしまうのではないか?という考え方の癖です。
こういう方は
断ること=嫌われる
という考え方の癖になっているんですね。
なので嫌われることを恐れるあまり断ることに抵抗やストレスを感じてしまいます。まずはこの「断ること=嫌われる」を断ち切る必要がありますね。
考え方の癖3、私は常に他人を喜ばせないといけない。他人の気持ちや要求を重要視しないといけない。
介護職や福祉職に就こうする方は自分が過去傷ついたり、身内に同じような境遇があったりし、人のためにこの仕事を選択したという人もいます。
また職業倫理として「相手の気持ちを受け入れましょう」と教わります。
それゆえ
私は常に他人を喜ばせないといけない。他人の気持ちや要求を(自分の気持ちより)重要視しないといけない。
という考え方の癖や思い込みが心の奥深くにあるのではないでしょうか?
そこをごっちゃにしてストレスや断ることに抵抗を感じてしまいます。
人を喜ばせる職業=断ることをしない
ではありませんね。この2つの考え方の癖を断ち切る必要があります。
断ることに抵抗やストレスを感じることを少なくするメンタルトレーニング
断れなかった断ったけどストレスを感じた出来事に対して、思っていたこと、考えていたことを書き出し、反証していくことで断ることやNOということに抵抗やストレスを感じることを少なくします。
そこからあなたのフレームを見つけていきます。
順番は下記の通りです。
- 断れなかった、断ったけどストレスを感じた出来事を書く
- その時の気持ちは?
- 頭に浮かんだ考えは?
- 考えらる根拠は?
- 反証してみる
- 2で挙げた気持ちの変化は?
- 上記から考えられるフレームは?
1、断れなかった、断わったけどその後罪悪感やストレスを感じた出来事を書く
- 嫌だったけど断れなかった出来事
- 断れたけど、ストレスを感じた出来事
こんな出来事があればノートに書いて見ます。
ほんとは帰りたかったけど上司に残業の雑務をやるように言われ、断りたかったけど、怒られるような気がして言えなく、引き受けてしまった。
2、その時の気持ちは?%で表す。
その時の気持ちや状態を%で表します。
- 怖い50%
- 怯え50%
- 不満100%
・憂鬱 ・不安・悲しい・苛立ち・困惑・罪悪感・怯え・神経質・パニック・興奮・激怒・失望・屈辱感・傷ついた・怖い・怒り・恥・心配・無我夢中・不満・うんざり・楽しい・快い・愛情・希望希望
3、頭に浮かんだ考えは?
その時パッと浮かんだ考えや思っていたことを描きます。
- なぜ上司は私の気持ちをわかってくれないのだろう。
- なぜ私の都合を聞いてくれないのだろう。
- きっと言ったら怒鳴られるに違いない
- ●上司に嫌われたらやっていけない
特にこの中で「ポイントとなるのであろうもの」「感情に直接関与しているものが」「気持ちが強いもの」に●をつけてみましょう。
4、考えられる根拠は?
パッと頭に浮かんだ考えを示す根拠を書きます。特に●の部分の根拠が大事ですね。
- 上司に嫌われたら職場ではやっていけないと思うから
- 上司は良く違う職員の反論に対して怒っているのを以前見たから
- 上司は人の気持ちを察するのを苦手だと思うから
5,反証
4の「パッと浮かんだ考え」に対してなるべく反証していきます。「本当にそれは事実なのか?(思い込みではないか?」という視点で反証していきます。
- 人に嫌われることは怖いが、それよりも自分の意に反することをすることの方が凹むことが多いかも。
- そういえば上司は私に対しては怒ったことがない
- 私も自分の情報や気持ちを伝える努力をしてなかった
- ならばしっかり情報を伝えてみよう。
- それで怒られたら辛いが、このまま自分の意見を言わない方が辛いかも。
6、2で上げた気持ちはどう変化したか?
2で挙げた気持ちがどう変化したか考えてみましょう。
- 怖い20%
- 怯え30%
- 不満50%
- 希望30%
希望が少しでできたなどを書いてみる。
7,考えられるフレームは?反証できる?
「パッと浮かんだ考え」を見てみて特に気持ちが強いものを探します。●の部分等を中心に考えてみましょう。
「上司に嫌われたらやっていけない」
これに対して「それの意味するところは?」と質問し続けてみます。
上司に嫌われたらやっていけない
↓(それの意味するところは?)
人に嫌われることが昔から怖い
↓(それの意味するところは?)
人に嫌われることで孤独になるに違いない
そういえば小学生の頃、特定の人に嫌われることでいじめにあい孤独になったことがあった。それを今もひきづっているのか?
特に下記の3つのフレームがないか考えてみましょう。
- 断ると人を傷つけてしまう
- 断ると人に嫌われてしまう
- 私の気持ちより他人の気持ちや要望が優先
パッと浮かんだ考え同様「反証」してみます。
断ることもしっかり相手の気持ちを尊重して断れば嫌われたり傷つけたりすることはないのでは?それで嫌われたんならそういう人なんだと思うことにしよう。
まとめ 断ることが上手になると人間関係が楽になる

介護職、福祉職員は利用者の気持ちを受け入れることが仕事です。それゆえ断ることが苦手な人も多いですがそれは昔の考え方をひきづっていることもあります。
ぜひこの機会に見直してみましょう。そうすることで人間関係も楽になると思います。