現役の福祉職員兼心理カウンセラーの資格を持つ篠原です。 介護や福祉の業界に勤めて12年ほどですが、働いていてどうしても避けられないのが「一部の嫌な職員」です。職場にいく前に、こんな気持ちになったことありませんか?
ほとんど多くの職員は良い職員ばかりでしたが、一部の職員に嫌な奴がいいて、振り回されて、思い悩み、心身を病んでしまい退職も考えてしまう体験を多くの職員がしています。
特に新卒職員や転職して入りたての頃は、右も左もわかりませんから教えてもらう必要がありますが、嫌な上司だったり嫌な職員が教育係などに当たると本当に辛いですよね。
誰もが入りたては不安で右も左もわからないものですが、そこを狙って攻撃してくる人がいます。
強烈な恐怖心により、緊張したり思い悩んだりしてしまいます。この一部の嫌な職員の為に辞めてしまうのは本当に辛いです。 しかし、どうしたってこの業界は人手不足や参入障壁が低いなどの理由で、嫌な奴がいるのは避けられません。そこで私が心理学を学び、現場で実践した自分を守る禁断の方法をお伝えします。自分自身の健康や大事な職員を守るために使ってくださいね。
Contents
なぜ嫌なあいつは良い職員を攻撃するのか?

介護や福祉の仕事を続けているとどうしたって「嫌な職員」がいます。この一部の職員は新人の職員や転職したての職員を狙い攻撃してきます。
嫌な奴がやりそうな理不尽な仕打ち
嫌な奴はこんな理不尽な仕打ちであなたを攻撃して来ることが多いでしょう。
私はこう言う仕打ちに本当に腹が立ちます!こう言う行為に対してはなんとかしないと新人や転職者が退職してしまうので全体に影響があります。
私が受けた理不尽な怒鳴りつけ〜100円均一のスタンプ台
私はある訪問介護事業所を数ヶ月で退職しています。三人しかいない事業所で、上司にあたるケアマネ兼副社長の女性上司が退職の大きな原因です。
ある時忘れもしない出来事が起こりました。 「100円均一のスタンプ台を買ってきて」とその女性上司に言われました。100円均一は歩いて5分のところです。私はいわゆる会社で使っているスタンプ台を買ってきました。女性上司は、怒鳴りつけるように大声で言いました。
「2段式のよーーー!!!」
もちろん2段式のを買ってこいという指示もなかったし、そもそも2段式のなんて使ってはいません。私は気持ちを落ち着け、一度呼吸を置いて、こう伝えました。
篠原「わかりました。では買い直してきます。」
百歩譲って私が間違えていたとしましょう。百円均一は歩いて5分。業務に支障が出るレベルの時間ではありませんね。
しかし女性上司は 「もういい。これ使うから」
私はよっぽどそのスタンプ台を顔になすりつけてやろうと思いましたが、そこは我慢し、すぐに退職を決意しやめました。
多分その前に電話をしていて自分の思い通りに行かずストレスが溜まっていたのでしょう。そして私をストレスのはけ口にしたのですね。こういうことが頻繁に起きていたので退職の良いきっかけになりました。
そのほかにもあったこんな理不尽な仕打ちの例
色々な話を聞いたりネットを調べてみるとすごいことをされたという方も沢山見受けられます。
嫌な奴の目的は存在を誇示すること
嫌な職員はなぜこのようなことをしてくるのでしょうか?例えばこんなことを言うと思います。
✔︎そもそもお前がルールか!労働基準法知らねーのか!
って言いたいと思います。私たち介護職や福祉職なら嫌な職員の意図している目的はわかってしまいます。
極端な話内容はどうでもいいんです。大事なことは感情的に叱ったり、自分のルールを押し付けたりすることですね。本当にやっていることはクソですね。
存在の誇示=満たされない気持ちを抱えている
ではなぜ嫌な職員はそこまで存在を誇示したいのでしょうか?
□満たされない気持ちを抱えているから。
□劣等感を抱えていて、自己肯定感が低く、自信がない。
社会的な立場を利用し、反抗しない相手を見つけ、社会や会社の常識というものを利用し、感情的に叱責することで、社会的に優位に立つことですね。自分はさぞ会社のために良いことをしたと思っています。本当にやっていることはクソですね。
パーソナリティ障害(傾向)などを抱えていることがある
そう言う嫌な職員はパーソナリティ障害(傾向)などを抱えていることがあります。パーソナリティ障害とは一言で言うと性格の偏りの癖ですね。 参考:厚生労働省 こころの耳 「パーソナリティ障害」
例えば先ほどのスタンプ台上司の特徴として「感情のブレーキが効かない」という特徴は境界性パーソナリティ障害の特徴にあります。実際は障害ではなく傾向だと思いますが。人口の15%程に現れます。この障害の特徴は自分が治そうと思わないと治らないと言うことですね。
個人の性格の問題だけでありませんが、性格の癖が治らないなら抑止を働かせて「嫌な行為を周りがやらせない」ことが大事。
嫌な奴が行なった卑劣な些細な行為は組織全体の問題に広がる

ここで問題なのは嫌な奴が一人の職員に行なった些細な行為は組織全体の問題に広がると言うことですね。対処しないでスルーしていると組織が崩壊していきます。
⇨被害者職員の心身の不調
⇨組織全体への問題と広がる?
被害者職員はどうなるか?
では被害を被った職員はどうなるでしょうか?その相手を前にするとこんな症状に苦しめられます。
ストレスが高くなり、心身を病めば退職になります。介護福祉業界は言わずと知れた人手不足ですからすぐに人材など集まりません。人が抜けた穴を誰かが補わなければなりません。個人的な被害で収まりません。
組織全体への被害も強烈!
被害者職員が退職すれば当然人材を失う点で組織にはマイナスなのですが、その他にもこんな被害があります。
嫌な職員から向けられた敵意や悪意は向けられた職員だけでなく 周りの職員や家族にも感染する
【シンガポール国立大学の研究】
56名の朝と夜の気分の本人の変化と家族の気分の変化を調べました。会社などで嫌なことがあった時に、周りの人や家族にも影響が出るのか?と言う研究です。
本人の怒りや敵意やレベルが上がっただけでなく、パートナー友人、子供などにも怒りや敵意のレベルが上がった。
つまり職場がギスギスすると言うことですね。そして悪循環になりますよね。一人の嫌な職員の問題だけでなく職場全体の問題となります。
じゃあどうすればいいか?と言うことですが、被害者だけでなく周りもこの行為を人ごとだと思わず対処する必要があると言うことです。
では具体的にどう対処するか?

では具体的に嫌な職員の卑劣な行為に対してどう対処すれば良いか?ですが、被害者職員の対処と組織としての対処に分かれます。
□被害者職員の対処⇨「心の胸ぐら」を掴み返す?
□組織の対処⇨伝言ゲーム?を活用
被害者職員の対処「嫌な職員に心の胸ぐらを掴まれている状態」
もし誰かにケンカみたいに、理由もなくいきなり胸ぐらをあなたは掴まれたらどうでしょうか?そしてどうするでしょうか?
- 助けを呼ぶ。
- 文句を言う
- 胸ぐらの手を振り払い逃げようとする
- 力のある人なら胸ぐらをつかみ返す
- 睨み返す
- 武道をやっている人なら胸ぐらを掴んでいる腕をひねり返す etc
何もしなかったらドンドン相手はエスカレートします。何をしてくるかもわからないし、身を守れないからです。しか普段嫌な職員がやっていることはこれと同じです。
嫌な職員が私たちにやっていること =いきなり「心の胸ぐら」を掴んでくる状態ですね。
いきなり胸ぐらを掴まれたら恐怖心が湧くのと同様、心の胸ぐらをいきなり掴まれて一方的にやられていたら同じく恐怖心がわきますよね?
心の胸ぐらを掴まれても実際には見えませんからわかりませんが、私たちはズタボロにメンタルをやられています。 ならどうするか?身を守る為には実際に胸ぐらを掴まれているのと同じですね。
実施に胸ぐらを掴まれているのと同様、心の胸ぐらを掴まれたら、心の胸ぐらを掴み返す
しかし普通の人ならこう思ったと思います。
そう思います。掴まれて掴み返すのは上級者向けです。でもここで考えてみましょう。先ほどの実際に胸ぐらを掴まれたら?掴み返すのは無理でも、
- 助けを呼ぶ。
- 文句を言う
- 胸ぐらの手を振り払い逃げようとする
はしますよね?何もしなければ一方的に相手はエスカレートしてくるからです。だから自分の身を守る為にジタバタする。
ジタバタすることで相手もやられるのではないか?と恐怖心が芽生えます。これが大事です。しかし問題は、心の胸ぐらを掴まれている時にはジタバタもせずに無抵抗ではありませんか?
心の胸ぐらを掴まれている時はジタバタせずに無抵抗。これだと嫌な職員はエスカレートしていく。
一方的にやられてしまうので嫌な職員は図に乗りエスカレートしてきます。だって無抵抗ですものね。でも心の胸ぐらを掴まれている時もジタバタすれば嫌な職員にも恐怖心が芽生えます。やすやすと手を出せなくなります。
心の胸ぐらを掴まれたら、無抵抗ではなくジタバタすれば嫌な職員にも恐怖心が芽生え、その次はやすやすと手を出せなくなる
心の胸ぐらを掴まれた時への対応策
心の胸ぐらを掴んでくる嫌な職員には、心の胸ぐらを掴み返すことは出来なくても、無抵抗ではなくジタバタすることです。それが結局「恐怖心」と言う抑止になります。嫌な職員の性格は治りませんが恐怖心という抑止を働かせることで好き勝手やらせないという状態を作ります。では実際ジタバタはどうするか?
心の胸ぐらをつかみ返す=ジタバタ=父親的なコミュニケーションを
活用します。
コミュニケーションを「母親的」と「父親的」に分けてみる
私たち介護職や福祉職が利用者とラポールを気づく際には「傾聴、共感、受容」などが使われますよね。これを「母親的」なコミュニケーションとしましょう。
母親が赤ちゃんにするようなコミュニケーションのイメージで、無条件で相手を受け入れると言うコミュニケーションですね。普通の利用者や職員や友人ならこれだけで信頼関係が成立します。
子供が成長すると生意気になったり、イタヅラばかりするようになったり親の言うことを聞かなくなります。今度は父親的なコミュニケーションの出番ですね。「指示、アドバイス、教える、命令、注意、叱るetc」社会性を身に着けたりルールを覚えるために使うコミュニケーションです。
軍隊や警察官、消防士、医者、教師、経営者などが活用しているコミュニケーションですね。「友達に嫌やがることをしてはいけません」「これをした方がいい」「この仕事をしてくれ」。子供は社会性が学べる父親的な人を信頼しますし、経営者的な人も尊敬されます。

本当のラポールは両方がバランスよく揃っている
子育ても最近は「子供を褒めて伸ばせ」ということが言われて、親が注意せずに子供がドンドンいたずらやわがままや迷惑をエスカレートしてしまうことがあります。逆に父親的だけ過ぎると虐待の問題にもなります。
介護や福祉ですと母親的なコミュニケーションだけが注目されますが、本当のコミュニケーションは母親的も父親的もバランスが大事ですね。

さてここでポイントをもう一度。
なぜなら父親的なコミュニケーションは相手をコントロールする力があるからです。
普段の会話に父親的を盛り込んでいく。
父親的なコミュニケーションは相手の言動や心情をコントロールする力があります。ですから嫌な職員には、意識してこの「父親的」を入れて行きます。
と思うかもしれませんがここがポイントです。
父親的なコミュニケーションといえど 「指示」と「注意、叱る」では相手への不快が全然違いますよね。

上の「指示〜叱る」は レベルを段階的に書いています。 指示が弱いレベルで 叱るが強いレベルです。
□指示の例
「あれをとってもらってもいいですか?」
「これをお願いできますか」
「お先に帰らせて頂きますね」
□注意、命令、叱るの例
「これをしてはいけません!」
「私の質問に答えてください」
「勉強してからここにきてください」
バレないように使う「指示」
当然私たちが使う父親的なコミュニケーションは「指示」です。
「ちょっとあれをやってもらってよいですか?」
「すいません、あれをとってもらってよいですか?」
「これを見てもらってよいですか?」
優しい口調でも笑顔で伝えてましょう。 小さい「指示」を会話の中に盛り込んで行きます。
始めは足が震え、声が震え上がるかもしれませんが、練習と思ってやってみてください。 内容はどうでも良いんです。 大切なことは「指示」することです。 断られてもいいのです。
少しの「指示」をすることで 心の胸ぐらを掴んだり、それこそ「ジタバタ」をこちらから仕掛けて抑止を働かせて行きます。
使い慣れてきたら行う3つの抑止を働かせる方法
□一つ上の内容も使ってみる。
使い慣れたり、立場が上がってきたら、指示より一つ上の提案やアドバイスなどを積極的に使ってみましょう。「これはどうでしょうか?」など提案やアドバイスなどを使って練習するのが良いでしょう。

□ボクシングのカウンターのように返す
上級になるとボクシングで言うカウンターのように嫌な職員が嫌なことをやってきたらすかさず「スパッ」と入れることを目指します。すぐに抑止を働かせることで問題を大きくさせません。こうなってくると恐怖心も大分薄れてきます。そしてその頃には嫌な相手もあなたに恐怖心を抱いています。やすやすと嫌なことを出来なくなります。
例)
嫌な職員「あの子っとほんと嫌だよね」
あなた「ハイハイ仕事中ですから悪口はやめましょう!」
ボクシングのカウンターのようにスパッと父親的なコミュニケーションが入る頃には、嫌な相手もあなたに恐怖心を抱いて、やすやすと攻撃できなくなる。
□上司などを使っても良い
私のスタンプ台上司のように、嫌な奴は急に嫌なことをふっかけてきますからその場で対応を取れないこともあります。スタンプ台の例でいれば後々社長に「パワハラを受けた」と訴えることも出来たでしょう。
直接あなたが嫌な相手に仕掛けなくても、間に管理職などを挟むことでそれも心の胸ぐらを掴む行為になり抑止になります。
組織での対処 負の連鎖を起こさないために「伝言ゲーム」を活用?

会社や組織の場合嫌な職員の行為は全体に影響するという心理的な実験をお伝えしました。職場がギスギスしないためにも、良い人材を失わないためにも自分たちのために組織全体で嫌な職員に職員を攻撃させないと言うことをする必要がありますね。そのために活用するのは「伝言ゲーム」です。
嫌な職員に良い職員の心の胸ぐらを掴ませないよう抑止を働かせるための伝言ゲームとは?
□信頼ある職員同士で情報を共有する
□叱るべき上司などに訴える
□直接本人に言ってもらうか会議で取り上げてもらう
信頼ある職員同士で情報を共有する
「嫌な職員が誰かに何かをした」と言うことをほっておかず信頼ある職員同士で問題にします。今ではLineもありますし、共有は比較的簡単にできますよね。話すと何が問題で、どう対処すれば良いか、まとまってきます。
叱るべき上司に訴える
ここでポイントは、嫌な職員を注意するのは誰の役目でしょうか?そう上司の役目ですね。何も他の職員が言うことではないんです。上司と共有することによりこれを組織全体の問題に広げていきます。上司がダメなら管理者と言うように信頼ある上の役職に訴えます。

本人に上司から直接言うか、会議などで取り上げてもらう
上司に叱るべき対応をとってもらいます。会議などで取り上げてもらっても良いでしょう。多くの人を巻き込み余計抑止になりますし、被害者職員も守られます。
直接嫌な職員に言わずとも上司などに言うことにより問題を当事者だけでなく組織全体の問題に広げることで嫌な職員への抑止になる
まとめ 良い職員をみんなで守ろう

嫌な職員はいますが、嫌なことをさせないために本人も周りの職員も目を見張ることが大事ですね。嫌な職員が中心の職場はどうしたってギスギスします。ギスギスの職場なんて利用者も職員も嫌ですよね。そのためにもリーダー的存在の人が情報を共有し、抑止を働かせ必要がありますね。
一人で抱え込まないで周りに相談
とにかくやられたら一人で抱え込まずに周りに相談し、職員で協力していくことが必要です。周りでフォローし合えれば、協力体制が出来ます。
嫌な奴からから自分を守るメンタルを鍛える
どこの組織にもこう言う嫌がらせをしてくる人が一人か二人はいますから、それに負けないメンタルを作るのも良いです。こちらの記事が役に立ちます。
