現役福祉職員&心理カウンセラーの資格を持つ篠原です。
福祉や介護の仕事を続けるならば人間関係の問題やストレスからは逃げられません。ならば人間関係のストレスを受けにくくする方法を学ぶ必要があります。
このブログでは人間関係のストレスに関して二つのテーマで書いています。
- 「ストレスを受けにくくする」
- 「受けたストレスを解消する」
もともとストレスを受けにくい人や逆に受けやすい人がいるのも事実。でもある程度メンタルは鍛えられます。
以前にメンタルを鍛える方法として下記の記事をお伝えしました。

今回の方法は、前回のと合わせて、精神科の治療で保険適用としても行われている方法です。
それが人間関係の思い込み(を変える)です。
人間関係に対する「非合理的で極端な思い込み」を私たちはたくさん持っています。例えば。
- 人に嫌われてはいけない
- 嫌な人でも愛想よくやっていかないと行けない
- 社会人として我慢しなければならない etc
- 人に嫌わらたらいけない
→人に嫌われるないことに越したことないが、理不尽なことの意見を行って嫌われるたのならそれはそれでしょうがない。 - 嫌な人でも愛想良くやっていかないといけない
→嫌な人に無理して自分の気持ちを押し殺してまで愛想良くする必要はない。でも社会人なので挨拶だけはこちらからする。仮に挨拶を無視されてもそれは相手の責任なので自分の責任ではない。 - 社会人として我慢しなければならない
→理不尽なことや嫌なことは感情的でなく意見を言っていく。 etc
その方法を今回ご紹介します。
同じ人間関係なのにストレスを受けやすい人と受けにくい人がいる。この違いは「メンタル」です。そしてそのメンタルは体と同様、ある程度鍛えられます。
その鍛え方をこの記事でお伝えします。
Contents
もともとストレスを受けやすいメンタルの人がいる。しかし、それは関係ない。

福祉職員にも色々な人がいますが、大前提でもともと人間関係でストレスを受けやすい人と受けにくいメンタルの人がいます。
例えばHSPの傾向がある人などです。
苦手という人でも「運動習慣」は大事で、ヨガとかウオーキングとかは得意不得意関係ないし、それを習慣にしていればある程度健康は保たれます。
運動でいえば大事なことは得意不得意に関わらず「今継続して運動しているか」ですね。
体型がみんな違うように、もともとのメンタルの強い弱いの違いはある。でも大事なことは運動と同じで「今運動をしているか?」ということ。
メンタルのトレーニングもメンタルのトレーニングを習慣にしていれば、ある程度は鍛えられる。
メンタルの鍛え方は二つのアプローチがある

メンタルの鍛え方は二つのアプローチがあります。それがこれです。
1、自己肯定感をコツコツ高める
2、考え方の癖を直す
【アプローチ1】「自分は自分」という自己肯定感をコツコツ高める
ストレスの中で結構「エネルギー」を食うのが、自分で自分を否定するストレスです。自責の念がかなり消耗が激しいです
逆に自分で自分を認め、自己肯定感が上がるとストレスがかなり減ります。こちらの記事が参考になります。

【アプローチ2】考え方の癖を直す認知行動療法の活用
人が百人いれば百通りの考え方や感じ方がありますよね?親だろうが、兄弟だろうが、考え方は結構違います。ましてや他人ならもっと違いますよね。
それは「考え方に癖」があるからです。仮に同じ出来事ができても人それぞれ考え方、感じ方が全く違います。
上司に同じように怒られた二人がいるとします。その二人の感想は
この二人のストレス度合いはどうでしょうか?きっとhukusiさんの方が高そうですね。
仮に同じ出来事が起きても、人それぞれ受け止め方が違う。
それは考え方に違いがあるから。ストレス度合いも変わってくる。
そしてその考え方に癖があるとストレスを余計に受けやすい。
骨盤が歪んでいれば姿勢が歪んだりし、色々な部位に負担が不具合を起こしますよね。整体などに行き、一度骨盤の歪みを矯正すれば姿勢が治ったり、腰痛や肩凝りが治ったりします。もちろん毎日のストレッチなどで骨盤や身体が歪まないようにメンテナンスするのも大事です。
考え方の癖や歪みは骨盤に似ています。もともと考え方の癖や歪みが極端にあると、日常生活をしている中で、一つの出来事で受けるストレスが増してしまいます。
この考え方の癖や歪みを一度しっかり矯正し、かつ日頃の考え方に癖や歪みが生じないようにメンテナンスしておけば、受けるストレスも軽減できるます。
ストレスを受けやすくい人には考え方に極端に癖があったりすることが多い。
その癖を見直すだけでもストレスを軽減できる。
考え方を見直す方法が「認知行動療法」。
考え方の癖や歪みを直し、ストレスを軽減できる認知行動療法とは?そのメリットは?

同じ出来事が起きているのにそこから受けるストレスが違います。その一つに「考え方に癖(歪み)」があるからです。この考え方の癖や歪みを見直すだけでストレスを軽減する方法が認知行動療法です。
認知行動療法とは?
精神疾患にも高い効果を発揮し、臨床心理では主流の方法
「◯◯療法」と呼ばれるものには、怪しいものもたくさんあります。学会やデータがなかったりし、本当にこれ効くの?というものも多いです。
認知行動療法は学会もあり、高いエビデンス(データ)も出ています。ほとんどの民間の◯◯療法は保険適用になりませんが、精神科では唯一認知行動療法は保険適用になります。
自分一人でも出来る。本代のみで安価。
うつや統合失調症などの精神疾患を患っているなら精神科の指導を受けるべきですが、そうでないのであれば認知行動療法は本を買い自分独自でも簡単にでき、効果を発揮できます。民間の◯◯療法を受けようと思ったら1回◯万円取られるとかザラです。
本代だけですので、数千円で大丈夫です。漫画でも解説されいてわかりやすいです。
一日15分の作業でOK。慣れてくればそれすらいらず、ドミノ倒しのように効果を発揮。
初めは日記のように自分の気持ちを書きながら探ります。だんだん慣れてくると書くこともいらなくなります。
また慣れてくると、あらゆる出来事から自分の気持ちの本質を探るため、ドミノ倒しのようにはじめは小さな一枚だとしても後から全てが倒れるように、効果がだんだんとわかってきます。
認知行動療法を福祉の職員が活用し、ストレスを軽減する方法

一つの出来事から「自分の気持ちの本質」を探る

同じ出来事が起きているのに人それぞれ感じ方考え方が違います。ましてや人間関係なら受けるストレスもまるで違います。
それは私たちが「脳」という「色眼鏡」でものを見ているからですね。
オレンジ色のメガネをかければ世界はオレンジ色にかかって見えます。青色なら青色なら青色にかかって見えます。
認知行動療法ではこの色眼鏡を「フレーム(スキーマ)」と言います。メガネの「フレーム」と同じ意味です。
目指すところは無色透明のフレーム=適応的認知
この認知行動療法の目指すところは「事実を事実として受け止める」ということですね。ほとんどの人が癖のある「フレームががった思考」に気づいていないんです。
つまり色眼鏡を無色透明の普通のレンズのような見え方にすること。これを「適応的認知」と言います。
オレンジ色のメガネを自分で選んでつければ、本来の色がオレンジがかって物事が見えるのは当然です。自分がオレンジ色のメガネを自分で自覚してかけているからです。
例えば私は「モテなくて恋人が作れない」と言っている人がいます。
なぜモテないか状況を詳しく聞いてみると「以前に二人の人に告白してダメだったから」という回答でした。
二人の人に告白してダメだったから→モテなくて恋人が作れない
という認知は果たして「適応的認知」でしょうか?
これはちょっと極端なフレームの判断でしょうね。
「2度失敗→モテなくて恋人が作れない」という判断をしてしまうフレームは「極端な一般化」と言われます。
これは極端な例ですが、私たちは普段このように認知を歪めて判断しまいがちです。
自分のかけているフレーム(スキーマ)の色がわかるだけでも、本来の見え方に色がかかっていると気づける。それだけでストレスは違う。
フレームの癖を探ればいくつかの種類に行き着く
フレーム(スキーマ)を突き詰めると何種類かに行き着くことがわかります。
- 根拠のない決めつけ
- 白黒思考
- 部分的焦点づけ
- 過大評価過小評価
- 「べき」思考
- 極端な一般化
- 自己関連付け
- 情緒的な理由づけ
- 自分で実現してしまう予言
フレームを見つけるには、パッと考えたこと「自動思考」をキャッチする
フレームを見つけるには、普段私たちが何か出来事が会った時に瞬間的にどのような「思考」をしたか?という「自動思考」というのをキャッチすることでフレームを見つけます。

先ほどのhukusiさんの例を探ってみましょう。
【出来事】上司に怒られた(出来事)→【フレーム】→【自動思考・感情】もうダメだ。やめよう。不快。
- 上司からの注意はhukushiさんに期待しているからでは?
- 期待してない人には何も言わないのでは?
- そもそも上司が正解とは限らないのでは?
- 注意はあくまでhukushiさんの仕事に対する注意であり、hukushiさんの存在を否定しているわけではないのでは?
- 大きな視点で見るとリーダーに反論がない現場はよくはならないのでは?etc
認知行動療法は本を買って1日15分ほど取り組む
認知行動療法は本もしっかりしているのでそれに沿って行うと良いでしょう。1日15分ほど日記をつける感覚で初めはやってみてください。慣れてくると出来事から「自動思考」と「フレーム」を見つけやすくなります。
まとめ 使えるものを活用し、自分を守る術をつけよう

福祉職や介護職は現場の職員からすると魅力もある仕事ですが、長く続けるとなるとストレスはかなり高い仕事です。給料もあまり期待出来ないし、職場もブラック職場などに当たると身体や心を壊しかねません。身体や心を壊したら一生大変な思いをしてしまいます。
とはいえ自分を守るツールは揃っています。内容も安価ですし、知って取り組むだけでかなり自分を守れるものでしょう。
福祉の職場は人間関係やストレスも大変。でもそれを処理するツールは今では身近に揃っている。シンプルに活用し取り組むだけ。