現役福祉職員の篠原です。
介護や福祉の仕事をしようと思い、仕事を探す時に多くの人が感じる苦労することですが。
これは誰しもが仕事を探す時に感じることだと思います。障害の種類だけでも身体、知的、精神とあるし、児童もあれば社会福祉もある。施設系、居宅系、通所系もある。相談する方か、現場が良いか。何をしていいかわかりません。
例えば福祉人材センターの仕事の紹介ページの一部分です
移動支援:円滑に外出できるよう支援を行う
多分これを読むと多くの人が、こんな気持ちが浮かんでくるかと思います。
そうなんです。解説を並べられても誰しもがそれを仕事にしたいかなんてわからないんです!これ読んで「私、移動支援がしたい!」っていう人いますかね。
間違えたとは言い過ぎですが、その探し方には落とし穴がある!ってことを言いたいです。
その探し方だけではとても危険です!ということです。
この記事では私の失敗談も含め、福祉の仕事を探す際「こんな探し方」をしていませんか?ということをお伝えし、どうしたら自分に合う職場が探せるか?を解説したいと思います。
- 福祉の仕事を探すときに誰もがハマってしまいがちな3つの落とし穴
- 落とし穴にハマらずに自分と合う職場を探すための3つのポイント
Contents
福祉の仕事を探す時に誰もがハマってしまいがちな3つの落とし穴

それはこの3つの落とし穴です。
- 資格から仕事を探してしまう
- 労働条件だけで職場を選んでしまう
- 人手不足で簡単に職場に入れてしまう
【落とし穴1】資格から仕事を探してしまう
やってしまいがちな落とし穴の一番が資格から仕事を探してしまうということです。
福祉の仕事は資格や経験年数がないと出来ないことがあります。これが落とし穴なんです!ですから資格や経験年数で仕事を選んでしまう。例えば
介護福祉士を取得すればサービス提供責任者になれる。
これでサービス提供責任者になったもののサービス提供責任者の実際の一部の業務ってこれです。
- ヘルパーのシフト調整→利用者とヘルパーの間に入り調整→電話や連絡がすごく多い!
- 個別支援計画の作成→ワードエクセルなどのパソコン操作や文章書くことがすごく多い!
私が利用者対応する時間は業務時間の約半分で、その半分が電話をかけているか書類を作っているかです。もしそれを知らずになった人が、ワードやエクセルなどのパソコン操作に慣れていないととても苦労するし、電話が嫌いだとストレスがたまります。
その業務に向いていない人がなってしまうことでトラブルになったり周りの人との関係も悪くなるし、本人もストレスがとても溜まります。
私は心理カウンセラーの資格を取っていたので、心理カウンセラーだから「相談業務をしたい」と思い込んでいました。しかしあるとき気がつきました。私は「人の話を聞くのが嫌いなのでは?」ということに。人の話を聞くことにすごくストレスが溜まるんです。
それを職場の職員に話したら「だろうね。あなた人の話聞く振りして聞いていないもん」と答えていました。
聞くことにストレスが溜まるのでカウンセラ=相談業務と安易に結びつけるのは止めようと思いました。
でも心理学やカウンセリングの知識を使って書くことは好きみたいでブログは続けています。
【落とし穴2】労働条件が良いからだけで職場を選んでしまう
職場を選ぶ際大事なのが「労働条件」ですよね。給料、ボーナス、待遇、福利厚生など職場を選ぶ際とても大事なことです。しかしこれにも落とし穴が。これはある人の体験がわかりやすいです。
条件が良いというのは病院などの医療法人ですが、病院に就職したはいいものの人間関係や雰囲気が最悪でした。仕事をさせてもらえず「とりあえず待ってて」とずっとボ〜としていることもありました。続けられず辞めてしまいました。
労働条件はとても職場を探す要素。でも労働条件や待遇だけで職場を選ぶのは間関係や職場の雰囲気、職場の価値観など見えずに自分と合わないこともあります。
【落とし穴3】人手不足で簡単に職場に入れてしまう
3つ目の落とし穴はどこの職場も人手不足で簡単に職場に入れてしまうことです。
これには二つの理由があります。
- 自己分析などせずに職場に入れてしまう
- 職場や仕事をしっかりリサーチせずに入れてしまう
一般の就職ならばエントリーシートを書いても書類選考で落とされてしまうことは結構あります。そのために結構力を入れて自己分析などをしますよね。しかし福祉の現場は下手なものを書かない限り、書類選考で落とされることはそうはありません。ゆえに自己分析などしっかりする人もあまりいないでしょう。
自己分析することで良いことは自分について「ある程度」考えることだと思います。
旅行と同じで旅に行く時には、何も考えずに出発することはあまりありませんよね。目的地を考えて、予算はどれくらいで、何泊でどうやっていくのか。ある程度旅の行程表を考えますよね。
でも旅は何があるかわからないので変わる可能性はある。変わってもいいんですがある程度行程表があれば応用も効きやすいです。
同じように「この会社でこうして行こう」とある程度目標や目的があれば急な変化やストレスにも何とか対応することはできます。
自分が何をやってきて?この会社で何がしたくて?将来どうなりたいのか?強みは何なのか?逆に弱みは何で、どうカバーしてくのか?得意なことは?逆に不得意なことは?
でも自己分析で大事なことは旅と同じ「絶対変化がある」ということですね。考えたことも経験を積めばどんどん変わってくるものです。だから「しっかり」した行程表ではなく「ある程度」で良いんです。簡単な自己分析で良いので行なっておくと良いでしょう。逆にしっかりやろうと思うと考えすぎてしまうのでそれは時間の無駄ですね。
どこでも人手不足なので求人表をみて見学に行ったらもうほぼ面接だったなんて体験した人も多いと思います。
しかし自己分析で考えたことを実際に動いてみるとイメージと違ったなんてことは多いですよね。会社の雰囲気や人間関係がちょっと合わないなどもあります。ちょっと体験すれば気づけたのにってこともあります。しかし一度就職してしまったら退職するのが結構大変です。
余程の事情がない限りどこの施設も見学させてもらえます。またボランティア体験なども出来ます。職員の雰囲気も感じられることですし、うまくいけば職員の話も聞けます。イベントなどの行事を調べて参加させてもらうのも良いでしょう。
こんな研究結果があります。
56名の朝と夜の気分の本人の変化と家族の気分の変化を調べました。会社などで嫌なことがあった時に、周りの人や家族にも影響が出るのか?と言う研究です。本人の怒りや敵意やレベルが上がっただけでなく、パートナー友人、子供などにも怒りや敵意のレベルが上がった。
もちろんそれだけで100%決めつけるのは良くないのですがかなりの参考にはなりますね。
ある人が施設に就
職する前に数日職場体験をさせてもらいました。仕事の内容も職場の雰囲気が良かったのですが「ある上司」に違和感を感じていました。仮に就職したら、この上司の下で仕事するのか?と思い、もう一度考え直しましたが条件など総合的に考えその施設が良いと思い就職しました。
しかし就職するとやはり数年はその上司に苦しめられました。数人の職員がその上司が理由で退職していました。数日の体験でしたが感じた「違和感」は結構大事な要素ですね。
落とし穴にはまらずに自分と合う職場を見つけるための3のポイント

福祉の仕事の落とし穴にはまらずに自分と合う職場を見つけるためのポイントをまとめますね。
- 自己分析と将来のキャリアをある程度考える
- 興味ある分野を「小さく体験」する
- 1〜2を多く繰り返し「労働条件や資格」を考慮して決める
自己分析と将来のキャリアをある程度考える
・今まで経験した中で熱中したこと。なぜ熱中出来たか?
・経験した挫折とその時どうやって乗り越えたか?
・自分の得意とすること?不得意とすることは?
・今までの経験から自分が大事にしている価値観は?
・今後どんな人生やキャリアを生きたい?
旅行と同じようにいくら机の上で考えてもじっさいには体験しないとわからない。でも旅行もそうですがある程度情報を調べておけば、いざという時に応用が効きます。
興味ある分野を「小さく」体験する
一番大事なのはやはり体験することです。経験しないと何事もわからない。しかし就職してしまえば、間違えたと思った時に退職すると会社にも職員にもいい顔されません。「履歴書」に載ることになります。履歴に載れば次に転職する時に説明しないと行けません。
・実際にボランティアをしてみる
・施設行事などに参加してみる
・見学する
・実際に働く人の雰囲気を感じる。または話を聞く
会社としても人材が欲しいですが、雇う前にその人の人柄を知りたいというのもあります。正規職員で雇うとよほどの理由がない限り解雇出来ませんから職場にとっても知らない人を雇うってリスクなんです。
ですから職場的にもボランティアや見学ってwinwinなんですね。ただもちろん業種によってはそれが出来ないこともありますが、一度ダメもとで電話やメールなどを連絡してみると良いと思います。
仮にその職場に通うことになったら通勤はどれくらいかかるか?とかも大事ですね。
通勤時間とストレスは密接な関係があります。
私は以前に精神の仕事にも興味あり、ある精神のデイサービスに電話をかけて「御社の仕事に興味あるのでボランティア体験させてくれませんか?」と言ったところ「利用者さんの個人情報もあるのでボランティアは無理ですが見学ならいいですよ」と言ってくださり、実際職場見学させてもらいました。しかも利用者さんがいる時で、職場の雰囲気を間近で感じることが出来ました。
分析と体験を多く繰り返し「労働条件や資格」を考慮して決める
あとは体験と分析を多く繰り返すことで自分の向き不向きや将来こうしたいキャリアがある程度見えてきます。ここで大事なのが「ある程度わかる」で良いということ。完璧にわかろうとしなくてよいんです。体験すればまた変わっていきますから。
そして実際の求人や労働条件をみて、その職場で働いてみるかどうか検討してみましょう。
・自己分析と将来のキャリアをある程度考える
・興味ある分野を「小さく体験」する
・分析と体験を多く繰り返し「労働条件や資格」を考慮して決める
考えすぎはNG。旅行と同じで行けば変わる。でも計画あれば応用が効く。
まとめ 福祉の仕事探しはお見合いと同じ

お見合いって相手のプロフィールを見て、相手の仕事や年収、容姿などの情報を見ます。でもそれだけではわかりませんから実際に会って話したりデートしたりします。実際に会って話すと全然イメージと違ったりもします。
相手のことも大事ですが自分がどんな人間で、どうしたいか?を相手に言葉で伝えることも大事ですよね。そのためには自分をよく知らないと語れません。
しかし福祉の仕事探しになると「資格」とか「条件」とかだけで仕事を判断しがちです。そして人手不足で就職しやすいのでとりあえず就職してしまいます。それっていきなり相手も自分も知らずに結婚するようなものです。すぐに離婚するのが落ちですね。ならばその前の段階で色々体験し、お互い納得した上で就職するのが良いと思います。
- 自分を分析。「強み」や「弱点」を言葉で語れるように。
- 職場を分析。「小さく動き体験する」。
- 完璧主義は逆効果。行動していく中で修正して次に活かす。